電話、メールより便利なコールセンターの新チャネル
現状のコールセンターの顧客とのチャネルは電話とメールですが、なかなか繋がらない電話や返事の来ないメールを顧客はいやというほど経験しています。このようなコールセンターは顧客満足度の向上ではなく、わざわざ満足度低下を促進しています。
コールセンター白書2008によれば、51%のユーザが電話の待ち時間が長いと不満を持っており、44%のユーザは電話がつながらないという不満を持っています。
コールセンターのチャネルには、日本では従来ほとんど使われてこなかったものがもう一つあります。エンタープライズ チャットです。頭にエンタープライズを付けたのは個人同士のチャット機能と区別するためです。エンタープライズ チャットでは顧客側のチャット画面は個人チャットと変わりませんが、オペレータ側の画面には迅速にチャット対応する為の数々の機能が提供されています。
機能1:定型文
朝、昼、夜別の挨拶文、クローズ挨拶文など、よく使う定型文を登録しておくことによってオペレータは選択しクリックするだけです。
機能2:分岐質問集
問合わせには決まったパターンがあり、パターン毎に確認しなければならないことが決まっています。これを分岐質問集として登録しておくことによって、質問パターンに合った分岐質問を顧客にプッシュすることが出来ます。
機能3:PDF等のファイルやURLのプッシュ
言葉ではなかなか伝わらない内容をPDF等のファイルを登録しておくことによって、オペレータはクリックするだけで顧客に説明図などのファイルをプッシュすることが出来ます。
見てほしいFAQ等のURLも登録しておけば、ユーザにURLをプッシュし見てほしいページに誘導出来ます。電話対応では不可能ですのでサポート品質や業務効率は飛躍的に向上します。
機能4:コーブラウジング
ユーザの許可を取って、ユーザが見ている画面を共有することができ、項目に矢印を付けたりサンプルを入力して顧客の理解を促進できます。
機能5:プレビュー機能
顧客が入力中でまだ送信ボタンを押す前に、オペレータは顧客が何を聞こうとしているのかプレビューすることが出来ます。
機能6:チャットボタンのポップアップ
Topページから4階層目まで来たとか、申し込みや購入ページで何十秒留まっているなどのルールを決め、ルールに一致したユーザの画面にチャットボタンをポップアップしてサポート要求を促進させることが出来ます。
機能7:顧客情報収集
匿名で始まったチャットでも資料送付依頼等をきっかけに顧客情報入力画面を表示し、顧客情報を収集することが出来ます。
機能8:アンケート
チャットサポート終了時にサポート品質に関するアンケートを表示させアンケートを収集することが出来ます。
機能9:各種分析レポート
曜日別/時間帯別チャット要求数や、チャット対応時間、質問の種類、サポート満足度などの各種分析レポートが作成できます。
以上で個人チャットとエンタープライズ チャットの違いをご理解頂けたと思います。
上記の機能により、オペレータは同時に3人位の顧客をサポートすることが出来ます。
電話では同時には1人の顧客対応しかできませんし、テクニカルサポートの場合、顧客にある操作をお願いし、処理が終了するまで結構長い無言の無駄な時間が生まれます。
又、電話の場合はサポート履歴をケースに手入力で登録する必要がありますが、チャットサポートではログがそのままサポート履歴になります。
総てのエンタープライズ チャットのパッケージやASPサービスが上記の総ての機能を提供している訳ではありませんので、目的に合わせて選択する必要があります。
次回はコールセンターやECサイトにおけるエンタープライズ チャットの実態を報告したいと思います。