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SFA七不思議その6 SFAパッケージはそのビジネスモデル、セールスモデルをなぜ明確にしないのか?

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Img_0001 梅の花は散り、桜の花も盛りを過ぎた季節の花々の端境期の中、カラーの花が端麗に咲いていました。

アプリケーションパッケージを設計していく上では、必ず前提とするビジネスモデルがある筈です。SFAパッケージの設計には前提とするセールスモデルがある筈です。

モデルを決めない限り設計はできません。初期の開発者はそのモデルを明確に意識している筈ですが、なぜか開発者以外にそのメッセージが伝わってくることがありません。又、開発担当が引き継がれていく中で、前提とするモデルが混在し、混乱している例も多く見かけます。

営業活動には、案件セールス型とルートセールス型があります。そして取引形態にはB to BとB to Cがあります。

ERPやCRMパッケージベンダーの営業活動はB to Bの案件セールス型です。
医薬・飲料メーカーの営業活動はB to Bのルートセールス型です。
車や家の販社の営業活動はB to Cの案件セールス型です。
B to Cのルートセールス型は、うーん、富山の薬売りかな?

医薬・飲料メーカーの営業活動には、「いつまでに何をいくらで売るか」といった商談は存在しないプロモーション活動が主体です。
新製品の紹介やリレーションの強化、競合他社情報収集などが主な営業活動で、受注、出荷、売上げ、集金などの営業活動は卸が行い、メーカーの営業活動とは別次元で動いています。卸の営業活動は、御用聞き型ルートセールスで、明確な管理すべき案件はありませんが、受注、出荷、売上げ、集金活動が主体です。

ルートセールス型の営業活動は、一般に「日報」によって支援・管理されます。日報を媒体にして、上司への報告、上司からの助言・指示、他の営業や他部門との情報共有が行われます。又、訪問件数と売上げの相関関係の分析などが重要な指標となります。

案件セールス型の会社でも、多くの営業会議は週報をベースに行われています。
週報の報告から始まり、ケアーすべき案件に降りていきます。
従いまして、案件セールス型SFAでも案件管理表以外に、週報も欲しいところです。

海外のSFAパッケージは、一言で言うとB to Bの案件セールス型モデルを前提に設計されています。「商談(案件)」でほとんどの営業活動を支援・管理しているからです。国産SFAパッケージには、日報管理をベースとしたB to Bのルートセールス型が多いようです。

どのSFAパッケージも、その前提となっているセールスモデルをあまり明確にしていませんが、案件セールス型SFAとルートセールス型SFAでは、そのアーキテクチャーが大きく異なります。ルートセールスの会社が案件セールス型SFAをそのまま導入するのは無理があります。その逆も真なりです。

尤も、最近の海外SFAパッケージにも日報機能が提供され始め、自在に訪問件数と売上げの相関関係の分析などが行え、結構、ルートセールスにも使えるようになって来ました。

肝要なのは、自社のセールスモデルを明確に把握し、パッケージが提供する多くの機能の中から自社に必要な機能を取捨選択し、どうしても足りない機能はカスタマイズするといったインプリメンテーションの力です。
社内にそのスキルを求めることができなければ、社外の導入コンサルテーションサービスを利用することもできます。

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