マーケティング部門が集めたリードは役に立っているか?
大分ご無沙汰してしまいました。
というのは、数週間前に「マーケティング部門が集めたリードは役に立っているか?」という題でブログ原稿を書き、投稿しようとしましたが、ちょっと待てよ、いくらブログといえども、こんないい加減な結論でいいのか?もう少し考えてみようと思い投稿を中止したのですが、考える時間も無く今日に至りました。
マーケティング部門は、新聞・雑誌・Webマガジンなどの広告や記事、自社メルマガ、セミナー、展示会、ホームページなどでリードをジェネレーションしています。営業に渡せるリードにするためには、コンタクトするための個人属性情報が必要です。
この個人属性情報を取れるのは、ホームページの資料ダウンロードアンケートやセミナーと展示会です。ホームページを訪れた人が何万人いても、新聞記事を読んだ人が何十万人いても、訪れたり、読まれただけでは個人属性情報は取れずリードにはなりません。
それなりの知名度と製品力があり、それなりのお金をかければ、セミナーへの数百人単位の集客、展示会での数百人から千枚位の名刺を集めることは可能です。ところが、このリードにフィルターをかけると意味のあるリードは一体何パーセント残るでしょう?
具体的な数値をお持ちの方がいらっしゃれば、是非教えていただきたいのですが、製品力にもよりますが私の感覚でいえば2~3%がいいところと思っています。そしてこのROIを計算してみますと、1実リード獲得費用は、うん十万円ということになります。
また、このリードにフィルターをかける役割はマーケ部門か、営業部門かという問題もあります。マーケ部門ではフィルターをかけずにリードを営業に渡している会社がほとんどだと思います。私が在籍したことのある会社では総てこうでした。マーケ部門には人数的にも、ノウハウ的にも、その能力が無いからです。マーケ部門の責任でフィルターをかけていると言っている会社は、単にマーケ部門の予算でテレマ会社にフィルターを外注しているだけです。これをフィルターと呼べるでしょうか?
大半の会社では、リードのフィルタリングは営業部門の役割になっていて、ゴミだらけのリードを渡された営業は、段々とリードフォローする意欲を無くしてしまい、ただでも忙しいので目前の案件フォローが優先され、訳の分からないリードはほったらかしのままになってしまいます。そうこうしている内に次のイベントが始まり、また未フォローのリードが溜まる悪循環に陥っています。
米国と異なり、日本のイベントで本当のリードを取るのは困難です。ほとんどの参加者は情報収集(あるいはノベリティ?)だけが目的ですし、ディシジョンメーカーがイベントに参加することはまずありません。
ここまで書くと、イベントなんかなぜ続けているのか、なぜ止めてしまないのかと思えてきます。
マーケットに自社の製品を認知してもらうためには、メディアミックスのアプローチが必要です。1回、新聞に記事が掲載されただけでは、ほとんど認知されないと思います。いつか新聞の記事で読んだ覚えがある製品が、メールマガジンで取り上げられていたので、URLをクリックしてその製品のホームページを見たことがある。ある展示会に行ったら、その製品のブースがあり、名刺を渡して説明を聞いた。よく分からなかったがなんとなく気になった。そしたらセミナー案内のメールが着たのでセミナーに参加してみて、製品の良さが理解できた。こんなループでやっとその製品が認知されていくものだと思います。
じゃあ、セミナーで実リードが取れたじゃないかといわれるかも知れませんが、どっこい
セミナー参加者は、まずディシジョンメーカーではありません。
それでも、徐々に世の中に理解者やファンが増え、やがては世の中でメジャーな製品と思われていく可能性があります。
そこまで、会社は待っていられないと言うことも事実で、数少ない実リードを見逃さないための工夫も必要です。弊社では、Webリードはマーケ部門がフィルターをかけ、イベントリードはその対応者の判断でランクを付け、要フォローリードを対応者がフィルターをかけるようにしています。
マーケティングコストが一番高額な、新聞広告では、何件リードが取れたかでROIを計算できませんし、計算しようとする人もいないでしょう。何十億、何百億の売り上げのためには、新聞広告くらいを打とうというマネジメントの意志・意慾で打つ、打たないが決まるものだと思います。ERPベンダー、SCMベンダー、通信会社と渡り歩く度に、新聞一面広告を出し、メジャーな会社に育て上げたある社長もいます。
展示会やセミナーも、その一つひとつを米国流のリードによるROIで考えるのではなく、何百億、何十億の売り上げを上げるためには、メディアミックスの相乗効果を狙って、出す、出さない、やる、やらないをマネジメントの意志・意慾で決めるもだと思います。