クラウド普及に必要なのは、売る仕組み と 買う仕組み。
一般的な定義と異なるかも知れませんが、私の中では
「営業は売る仕組みを作り」、
「マーケは買う仕組みを作る」、という構図になっています。
SaaSやクラウドの販売においても、営業は売る仕組み作りとして、
○資産で持たなくても、良いんですよ。
○サーバの購入や運用は不要なんですよ。
○いつでも最新のソフトウェア機能が使えるんですよ。
○大企業と同じ高度な機能が安く使えるんですよ。
と、メリットを全面に出したプレゼンを作成し顧客にアピールします。
でも、顧客、特に日本のほとんどを占める中小零細企業には、売れません。
当たり前です。買う仕組みを作ってないのですから。
○資産で持たなくても、良いんですよ。
...でも、今持ってるサーバはどうすれば良いんですか?SaaS使っても新規の分だけが費用扱いになるだけじゃメリット無いよ。一応、会計ソフトも持ってるんだから。
消費税が導入された時に、会計ソフト買ったなあ。
○サーバの購入や運用は不要なんですよ。
...でも1台のサーバで沢山のソフト動かしてて、それ専用のサーバがあるわけじゃないから、1つのソフトだけSaaSになってもサーバへらないし。運用だって、もともとパソコンに詳しい社員が兼任で見ているので、人件費も下がらないよ。
○いつでも最新のソフトウェア機能が使えるんですよ。
...こりゃ良いかもしんないけど、結局、顧問の税理士や会計士に頼んでるので、最新の機能って言われても良くわからんな。
○大企業と同じ高度な機能が安く使えるんですよ。
...高度な機能なんて、いらないよ。税金の申告ができれば良いんだから。
つまり、お客様に買っていただくための仕組み作りが必要 なのです。
私見ですが、経産省の推進した、中小企業向けSaaS活用基盤整備事業、通称J-SaaSが計画通りに顧客獲得ができなかったのも買っていただくための仕組み作りができていなかったからだと感じています。私も1次メンバーとして参加しておりましたので痛感しました。
昨今、クラウド普及に向けた施策が各省庁から出ていますが、
税金投入して色んなもの作る前に、買う仕組み作ってください。
と、今日もある団体の方から意見を求められて、言い放ってしまいました。大人気無い...
マーケ機能って大事だよ。