クラウド / SaaS 100%の可用性を考える基幹系クラウド元年
基幹系業務をクラウドで展開するには、不安をもつ利用者がまだまだ多い。セキュリティの面や可用性の問題を指摘する方々が多いが、気持ちは良く解る。
でも、下記の2点について少し考えていただきたい。
会計システムの可用性は100%に限りない数字を求める。
基幹系業務とミッションクリティカル業務を同一視する。
「会計システムは企業の要。請求書が月末に出力されないと、とんでもないことになる。」
その通りだと思います。月末の可用性は100%が欲しいのです。でも、その他の月中や、時間帯で言えば夜中でも100%の可用性が必要でしょうか。休日や夜中は止まっていても何とかなるし、処理が遅れてもカバーできることが多く有ります。実際、当社の会計システムもオンプレミスでの社内運用ですが、100%の可用性は維持できませんし、たまに障害が発生しています。
現場からのクレームもあがりますが、謝れば一応の解決です。
大きな違いは、障害発生時に自分たちでコントロールできるか、サービスベンダーの対応を待たなければならないかの点です。その部分の割り切りができてしまえば、障害発生時にも、今度はサービスベンダーが謝りに来るように変わるだけのようにも感じます。
ただし、大規模システムではシステム連携が複雑なため、話は簡単ではありません。連携先システムが、ミッションクリティカルな業務の場合、全体システムでの可用性を考慮する必要が出てきてしまうわけです。
ミッションクリティカルな業務は、厳格なトランザクション処理やレスポンスタイムの制約などの厳しい条件が付加されます。銀行の勘定系システムなどが典型例です。この分野はプライベートクラウドでの検討からスタートですね。
ということで、現状のクラウド活用状況を考察すると、
リアルタイム性の高いデータ連携が少ない業務
他の業務と切り離せる、独立性の高い業務
責任範囲が限定される業務
あたりの利用率が高いという結果になるわけです。肌感ですけど.....