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クラウド、SaaSを中心に庶民からの思いを無責任につぶやく

規模の経済の恩恵を受けるクラウドには、それを支える人口が必要だね。

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規模の経済の恩恵を受け、益々拡大するパブリック・クラウドベンダーであるが、Amazon、Google、Microsoft、Salesforceなど、その恩恵の源泉は

    利用者の増加に他ならない。

利用者、つまり人口が多ければ多いほど、規模の経済の恩恵を受けるチャンスが飛躍的に増加するが、やはり中国から目が離せない。

Record China社によれば、2010年5月5日、通信キャリア最大手の中国移動が携帯電話機向け電子書籍「TD電子書」サービスの概要を明らかにしたそうだ。3G携帯電話「TD-SCDMA」を通じたサービスで、課金方式は1冊ダウンロード毎か月極方式を選択できるそうだ。

ここで、使われる電子書籍「TD電子書」は、瞬く間に Amazon.comが製造・販売する電子ブックリーダーデバイス

    Amazon Kindleの販売台数を抜いてしまう 

のではないでしょうか。
ダウンロードだと1冊平均2元で従来の書籍の価格の10分の1程度の安さだそうです。...や、安い!

    2元と言えば50円~60円程度である。

Amazonが想定してる価格帯は、ベストセラー本が9ドル程度でしたので、桁が違います。中国の物価事情から見ても安いのではないでしょうか。日本国内からの元決済ができるとか、できないとかという問題もありますが、ブローカーを通しても安価に手に入ると思われます。

書籍の閲覧は、携帯電話端末または専用端末の2種類。中国出版集団、浙江出版集団、長江出版集団などコンテンツ提供業者35社と提携し、中国編集学会、国家図書館とも提携に向け協議を進めているとのことです。

さて、なにが起こるでしょうか。とりあえず日本で販売されている書籍、雑誌が、50円~60円で読めるようになるでしょう。合法、違法、著作権の問題があることは承知の上で、コンテンツが急激に増加すると思います。(違法を薦めているわけではありません)

また、物流の整備が遅れているため、

    現物書籍よりも、電子書籍の便利さが際立つ ことでしょう。

圧倒的な人口と、価格競争力、これを支えるインフラこそ、クラウドの醍醐味に思えます。話題の絶えない国です。実に面白い。

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