「楽しい構築の時間」よりも「つらい販売の時間」の方が圧倒的に長い!
ちょっと前回に続いてますが....
販売力・集客力をもった「売ってくれるプラットフォーム」にすがりたいと考えると、SalesforceのPaaSがとても魅力的に見えてくる。集客力の面では素晴らしく、CRMの周辺サービスを提供しているアプリケーション・ベンダーにとっては大変有り難い環境である。
しかしながら、純粋にPaaSの面で見たforce.comの活用については、ある程度の考慮
「コストとリスク」が必要である。
force.comを開発・運用環境としてサービス構築をする場合の生産性の高さは、あちこちで実証されており賞賛すべきところであるが、開発環境・運用環境ともにSalesforceに依存することになるため、事業変更等による他プラットフォームへのスイッチングコストは、莫大になる(実際には作り直し)。また業務ロジック以外はSalesforceにお任せのため、障害が発生しても自力で回復できるとは限らない。この辺りのリスクを理解した上で利用することが重要である。
オープン化という言葉と逆行しているようにも思われるが、ここで重要な点は、
「簡単に作れる」ということは「簡単に捨てられる」ということでもある。
トライ&エラーが許される環境は、ビジネスリスクを大幅に低減させてくれる最良の恵みであり、方向性の定まらないクラウドビジネスには、ある面で最適なプラットフォームと見ることもできる。
amazonの提供するプラットフォームは圧倒的なコストの安さとアプリケーション構築の自由度の高さが売り(IaaSなので当たり前ですが)だが、構築したサービスを売るという最大の難関をクリアするところが難しい。販売チャネルが確立されているのであれば、お勧めプラットフォームである。
PaaSの世界は、コストとリスクのトレードオフであり、プラットフォームの選択は色々と難しい面もあるが、
「楽しい構築の時間」よりも「つらい販売の時間」の方が圧倒的に長い
ということを忘れてはならない。