オルタナティブ・ブログ > ITソリューション塾 >

最新ITトレンドとビジネス戦略をわかりやすくお伝えします!

【実践】生成AIを使ってレポートやプレゼン資料を作る その2 図表を描く

»

前回は、どうやって文章を作成するのかについてのやり方を紹介しました。こんどは、その文章を装飾し、あるいは分かりやすくするためのチャート/図表の作成方法について、私がやっていることを周回します。

文章からマインドマップを作る

スクリーンショット 2025-02-27 7.33.10.png

私が使っているのは、Mapifyです。実際にそれを使ってマインドマップを作ってみました。このツールは、マインドマップ以外にも、ロジックチャートや特性要因図など6種類の図表を、文章内容を解析して作成・表示してくれます。長文のレポートの内容を分かりやすく「見える化」してくれる手段として重宝しています。

文章に挿し絵を入れる

スクリーンショット 2025-02-27 7.44.01.png

文章に挿し絵(インフォグラフィックス)を入れるツールとして、Napkinはなかなか重宝です。クオリティの高い図表を文章の内容から描いてくれます。こちらもいくつかの挿絵のパターンを提示し、配色やイラストのテイストについても選ぶことができます。

文章をパワポにする

Feloは国産のツールですが、文書生成、リサーチ、マインドマップ、そしてパワポ作成がオールインワンになっています。これひとつあれば、一通りの仕事がこなせるというツールです。

スクリーンショット 2025-02-27 7.54.32.png

実際の文章生成には、最新の生成AIモデルを選択できるようになっていて、なかなか気の利いたツールとして仕上がっています。

完成度を上げるには手作業に勝ものはない

以上紹介したようなツールをうまく使いこなせば、仕事の生産性は大きく向上します。特に、そこそこのクオリティで急いで作成しなければならないレポートであれば、このようなツールをフル活用することは極めて有効です。

ただ、さらに高いクオリティあるいは完成度を求めるのであれば、やはり人間手作業に勝るものはありません。

3dc08eaee0aadef45de9d4a8f86a94cc.jpg

このチャートは「最新のITトレンド」を1枚のチャートにまとめたものです。この内容についての解説は、こちらに記載していますので、よろしければご覧下さい。

【図解】コレ1枚でわかる最新ITトレンド・2025(チャートのダウンロード付)

このチャートは、各要素の配置や色使い、文言の選択にかなり工夫をしています。つまり、チャートそのものに私自身の思想やメッセージが込められているわけです。上記のようなツールは、このようなことへの配慮はありません。あくまで書かれている文章の内容を忠実に図表化しているに過ぎず、それはそれで「美しく見せる」ことはできますが、そこにこちらの思いや意図を描くことはできない訳です。

この図表を作るには、いくつかの生成AIツールに同じプロンプトを使って文章を生成し、さらには気になるところをさらに深く調べて、どのようなメッセージを描くのかを考える材料を手に入れました。私の場合は、それを参考にしながら、まずは手書きで何枚か書いてみました。以下はその一部です。

IMG_8163.jpeg

IMG_8164.jpeg

IMG_8166.jpeg

ああでもないこうでもないと、10枚くらいは書いたと思いますが、そうやってどんなチャートを描けばいいのかのイメージを膨らませていきました。そうやって書いた最後の1枚がこちらです。

IMG_8167.jpeg

これをベースにパワーポイントを作りました。ただ、実際にパワーポイントで描いてみるとやはり納得がいきません。色の配置、言葉の表現、文字数やそのバランスなど、ここからまた試行錯誤が始まります。そういう作業を重ねて、完成したのが、このチャートです。

スクリーンショット 2025-02-27 8.53.05.png

ただ、これでは少し文字が多すぎてビジーなので、文字量を減らしてすっきりさせました。

3dc08eaee0aadef45de9d4a8f86a94cc.jpg

誰に、何のために、どのような表現で伝えるかというのは、なかなか言葉にしづらい部分もあります。仮にそれを言語化できたとして、自分の感性にかなうチャートを自動で描くのは、いまのツールでは無理だと感じています。結局のところ、このチャートを1枚作るのに2日間くらいを費やすことになりました。

ただ、素材を集め、新たな知識を得て、頭を整理し、何をどうしたいのかの意図を固める手段として、生成AIツールは、もはやなくてはならないものとなりました。つまり、単に生産性を高めるという目的ではなく、それによって浮いた時間を思考や実証に費やすことで、品質や完成度を高めることに使えるわけです。

生成AIツールが賢くなればなるほど、私たち人間もまた賢くなって、それを使いこなす知恵を身につけることが、生産性に於いても、品質に於いても大切です。東京から大阪へ行くのに、江戸時代なら歩いて行くが普通でした。しかし、もはやそんな人はいないでしょう。新幹線や飛行機を使うのは、当たり前です。生成AIツールの登場は、「歩くこと」と「新幹線に乗ること」くらいの違いがあります。

1872(明治5)年、日本初の鉄道が新橋(現・汐留)~横浜間に開通してからおよそ100年の1964年に新幹線線は開業しました。生成AIはその登場から2年あまりしかたっていませんが、同様のインパクトをもたらしているように思います。それについて行けない、使いこなせないのは、「新幹線には乗りません」という話しで、かなりまずいぞと考えるべきかも知れませんね。

AIが仕事のを奪うのではなく、AIを使いこなせる人がAIを使いこなせない人の仕事を奪う

もうそんな時代になったことを受け止めるべきですね。

【図解】これ1枚でわかる最新ITトレンド・改訂第5版

生成AIを使えば、業務の効率爆上がり?
このソフトウェアを導入すれば、DXができる?
・・・そんな都合のいい「魔法の杖」はありません。

=> Amazon はこちらから

神社の杜のワーキング・プレイス 8MATO

IMG_7835.jpeg

八ヶ岳南麓・山梨県北杜市大泉町、標高1000mの広葉樹の森の中にコワーキングプレイスがオープンしました。WiFiや電源、文房具類など、働くための機材や備品、お茶やコーヒー、お茶菓子などを用意してお待ちしています。

8MATOのご紹介は、こちらをご覧下さい。

Comment(0)