自分の「理解のレベル」を見える化する方法
IoTについての次の質問にあなたはどのような回答ができるだろうか?
今後のビジネスの事業戦略上のポイントは、供給者視点から消費者起点で物事を捉えることへ、即ちサプライチェーンからディマンドチェーンに戦略の重心を移してゆくことです。そのためには消費者を理解する「データ」が、これからのビジネスの成否を分かちます。ここで言う「データ」とは、購買データや行動データだけではなく、主義主張、趣味嗜好、人生観や悩み、ライフログ、生活圏などを含めて消費者を深く知るためのデータです。各社は、様々な方法/サービスを駆使することで、このデータ収集に躍起になっています。では、彼らはどのような方法/サービスによってデータを手に入れようとしているのでしょうか。自分の言葉で整理して説明して下さい。
前期のITソリューション塾で提示したIoTに関する事前課題のひとつだ。あなたは、この質問に、どのような回答ができただろうか。
IoTを辞書の解説のように説明できても、このような質問に回答できなければ、ビジネスの実践には使えない。IoTという言葉が、日常やビジネスの様々な現実に関連付けられることができて、はじめてこの言葉を理解できたと言えるだろう。
それでは、こちらはどうだろう。同じく、IoTについての事前課題だ。
既に販売しているモノをレンタルにして、サブスクリプションあるいは従量課金で提供するといった「収益のあげ方を変えること」や、自動車のインフォテイメント・サービスのように、モノをネットにつなぎ情報を提供するといった「モノを介したサービスの利用」を「モノのサービス化」と理解されている方は、少なからずいらっしゃるように思います。間違えだとは言えませんが、「モノのサービス化」の本質を説明するものでもありません。「モノのサービス化」とは、モノとネットがつながり、収益のあげ方だけではなく、顧客との関係や提供する顧客価値を根本的に変えようということです。そんな「モノのサービス化」について、説明してください。
「モノのサービス化」という言葉を、最近はよく聞くようになった。この言葉を知っている人は多いだろう。ならば、この言葉が、IoTとどのように関係するのだろうか。ビジネスのあり方をどのように変えてしまうのだろうか。それを説明できなければ、この言葉を理解しているとは言いがたい。
ここに紹介した2つの質問に回答できるかどうかできないかは、回答の文章を作ってみることでしかわからない。つまり、回答を作ることで、理解のレベルが「見える化」されるということだ。「知っているつもり」とは、その「見える化」ができていないということだ。そんな自分の客観的な現実を知ることができれば、講義に臨む態度も前向きになるだろう。「こんなことではいけない」、「このままではかっこ悪い」、「なんとかしなくては仕事にならない」といった危機感を抱き、講義に臨めば、自ずと前のめりに講義に向き合うことができるはずだ。
まもなく開催する次期・ITソリューション塾[第35期]では、そんな事前課題をやってご参加頂くことをお願いしている。そして、テクノロジーの言葉とビジネスや日常の現実との関係をわかりやすく丁寧に説明することで、自分の危機感を解放してもらう。
オンラインでの営業活動やセミナーの開催、お客様との打ち合わせが増える中、言葉の持つ役割はこれまでにも増して高まっている。言葉を「知っている」あるいは「知っているつもり」に留めず、「理解している」へ押し上げるお手伝いをしたい。ITソリューション塾は、そんな想いで開催している。
【募集開始】第35期 ITソリューション塾
オンライン(ライブと録画)でもご参加いただけます。
ITソリューション塾・第35期(10月7日開講)の募集を開始しました。
新型コロナ・ウイルスは、肺に感染するよりも多くの人の意識に感染し、私たちの考え方や行動を変えつつあります。パンデミックが終息しても、元には戻ることはありません。私たちの日常は大きく変わり、働き方もビジネスも変わってしまうでしょう。これまでの正解は、これからの正解と同じではありません。ならば、事業戦略も求められるスキルも変わらざるを得えません。
本塾では、そんな「これから」のITやビジネスのトレンドを考え、分かりやすく整理してゆこうと思います。
特別講師
この塾では、知識だけではなく実践ノウハウについても学んで頂くために、現場の実践者である下記の特別講師をお招きしています。
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- アジャイル開発とDevOpsの実践
- 戦略スタッフ・サービス 代表取締役 戸田孝一郎 氏
- 日本のIT産業のマーケティングの現状と"近"未来
- シンフォニーマーケティング 代表取締役 庭山一郎 氏
- ゼロトラスト・ネットワーク・セキュリティとビジネス戦略
- 日本マイクロソフト CSO 河野省二 氏
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- 日程 初回・2020年10月7日(水)~最終回・12月16日(水)
- 毎週18:30~20:30
- 回数 全10回+特別補講
- 定員 100名
- 会場 オンライン(ライブと録画)および、会場(東京・市ヶ谷)
- 料金 ¥90,000- (税込み¥99,000)
- PCやスマホからオンラインでライブ&動画にて、ご参加頂けます。
- 資料・教材(パワーポイント)はロイヤリティフリーにて差し上げます。
詳しくは、こちらをご覧下さい。
ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー
【8月度のコンテンツを更新しました】
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新規プレゼンテーション・パッケージを充実させました!
・「新入社員研修のための最新ITトレンド研修」の改訂
・そのまま使えるDXに関連した事業会社向け講義パッケージを追加
・ローコード開発についてのプレゼンテーションを充実
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新入社員研修
【改訂】新入社員のための最新ITトレンドとこれからのビジネス・8月版
講義・研修パッケージ
【新規】デジタル・トランスフォーメーションとこれからのビジネス*講義時間:2時間程度
> 自動車関連製造業向けの研修パッケージ
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【改訂】総集編 2020年8月版・最新の資料を反映(2部構成)。
【改訂】ITソリューション塾・プレゼンテーションと講義動画 第34期版に差し替え
>これからのビジネス戦略
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ビジネス戦略編
【改訂】デジタルとフィジカル p.9
【改訂】イノベーションとインベンションの違い p.10
【新規】DXを支えるテクノロジー p.18
【改訂】DXはどんな世界を目指すのか p.19
【新規】「モノのサービス化」の構造 p.46
【改訂】ビジネス価値の比較
【新規】ビジネス価値のシフト p.48
【新規】自動車/移動ビジネスの3つの戦略 p.49
【新規】ジョブ型雇用とメンバーシップ型雇用 p.137
【新規】ナレッジワーカーの本質は創造的な仕事と主体性 p.138
【新規】コンテクスト文化から考えるリモートワーク p.139
【新規】リモートワーク成功の3要件 p.140
サービス&アプリケーション・先進技術編/IoT
【改訂】IoTの定義とビジネス p.15
サービス&アプリケーション・先進技術編/AI
【新規】ニューラル・ネットワークの仕組み p.68
クラウド・コンピューティング編
【改訂】クラウドに吸収されるITビジネス p.106
【新規】クラウド・ネイティブへのシフトが加速する p.107
開発と運用編
【改訂】開発の自動化とは p.94
【新規】ノー・コード/ロー・コード/プロ・コード p.95
【新規】ローコード開発ツール p.96
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【新規】ローコード開発ツールの 基本的な構造 p.98
下記につきましては、変更はありません。
ITの歴史と最新のトレンド編
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