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DXとはビジネスのサイボーグ化である

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purpose beyond profit (企業の存在意義は利益を超える)

IIRCInternational Integrated Reporting Council/国際統合報告評議会)2018年の報告書のタイトルだ。

IIRCは、企業などの価値を長期的に高め、持続的投資を可能にする新たな会計(情報開示)基準の確立に取り組む非営利国際団体で、業績などの財務情報だけでなく、社会貢献や環境対策などの非財務情報をも一つにまとめた統合報告(integrated reporting)という情報開示のルールづくりやその普及に取り組んでいる。

利益は企業が自らの存在意義を追求した結果としてもたらされる

不確実性が高まる時代にあって、企業は利益を追求するだけでは生き残れない時代である。ピーター・ドラッカーが語ったように「社会的な目的を実現し、社会、コミュニティ、個人のニーズを満たす」ことで、自らの存在意義を追求し続けなければ、事業の継続や企業の存続が難しくなった。だからこそ、企業の経営者はpurpose beyond profitを問い続ける必要がある。

デジタル・トランスフォーメーション(DX)もまた、purpose beyond profitと切り離して考えることはできない。

不確実性が高まる時代にあっては"purpose"が企業が存在するよりどころであり、これを貫くためにビジネス・モデルやビジネス・プロセス、組織の振る舞いをダイナミックに変化させ続けることが、事業を継続し、企業を存続させるための要件となる。これを可能にするためには、圧倒的なビジネス・スピードを手に入れなければならない。DXは、そのための変革である。

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例えば、トヨタが「トヨタウェイ」を掲げ、自らを自動車メーカーからモビリティ・カンパニーへ変革しようとしているように、Amazonが、「地球上で最もお客様を大切にする企業である」を掲げ、ビジネス領域を拡大し続けているように、purposeを軸に社会や顧客のニーズに合わせて、自らのカタチを変え続けている。

デジタルを駆使して変化に俊敏に対応できる企業の文化や体質の変革

私は、DXをこのように定義している。これは、決して、デジタルだけで解決できることではない。組織の振る舞いや人の考え方の変革がなければ、変革は実現しない。むしろ、組織や人の変革が、デジタルを駆使することの意義を見出し、デジタルを駆使することで変革の加速度を上げてゆくことなのだろう。

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当然ながら、それはビジネス構造の転換を強いることになる。その本質は、「モノが主役のビジネス」から「サービスが主役のビジネス」への転換である。

サービスの価値の源泉はデータである。ウェブやモバイル、IoTなど、ビジネスの現場や顧客接点は、デジタルでつながり、膨大なデータを生みだしている。そのデータを駆使することで、高速に事実を見える化し、ビジネスの現場や顧客との関係を高速に改善して、高速な変化に対応して最適化し続ける。あるいは、現実世界ではなしえないサービスの連携、すなわちエコシステムをデジタルで実現し、新しい価値を創出する。つまり、データを駆使したサービスが顧客価値を実現し、モノはそのサービスを実現するデバイスとして、主役の座を明け渡そうとしているのだ。

これは、IT業界の話しではない。ビジネスの話しだ。もはや、ITはビジネスと一体化し、それらを分けて考えるべきではない。必然的に、ITITに関わるノウハウやスキルなどの人的リソースは、ビジネスをドライブする事業会社に組み込まれる。鉛筆や算盤としてのITから、身体の一部であるIT、すなわちビジネスのサイボーグ化が始まりつつあると言えるだろう。それが、ITシステムの内製化として、いま大きな動きとなっている。

変化というのは、気がつけばあっという間だったと誰もがふり返る。例えば、iphoneが日本に登場したのは2008年、当時いまのようなことになるとは誰も思わなかっただろう。そして、その変化の過程も気がつかないうちに進んできた。しかし、いま改めて、過去をふり返ると、「あっという間」だったということに気付かされる。

DXもまた同様の経過をたどるのではないか。この変化に備えて、自らも変化するのか、変化の成り行きに任せるのかは、それぞれの選択ではあるが、来たるべき未来は「あっという間」であることだけは変えようのない現実であろう。

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ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー

【2月度のコンテンツを更新しました】
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・DX関連のプレゼンテーションを大幅に拡充
・セキュリティと5Gについても新たなプレゼンテーションを追加
・講演資料「デジタル・トランスフォーメーションの本質とプラットフォーム戦略」を追加
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総集編
【改訂】総集編 2019年2月版・最新の資料を反映しました。
パッケージ編
講演資料「デジタル・トランスフォーメーションの本質とプラットフォーム戦略」
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ビジネス戦略編
【新規】デジタル化:デジタイゼーションとデジタライゼーション p.4
【改訂】デジタル・トランスフォーメーションとCPS p.18
【新規】デジタルトランスフォーメーション 2つの解釈 p.19
【新規】DXとPurpose p.20
【新規】DXの基本構造 p.30
【新規】DX実践のステージ p.35
【新規】デジタイゼーションとデジタライゼーションとDXの関係 p.36
【新規】オープン・イノベーション事例:MONET Technologies p.52
【新規】オープン・イノベーション事例:TOYOTA WOVEN CITY p.53
【改訂】改善・最適化戦略/変革戦略とDX p.72
【新規】エコシステム(生態系)とは何か p.84
【新規】プラットフォーム・ビジネスを成功させる3つの要件 p.85
【新規】共創とプラットフォーム p.86
【新規】プラットフォームの事例:エーザイ・認知症エコシステム p.87
【新規】プラットフォームの事例:エムスリー株式会社 p.88
【新規】DXとは(まとめ)p.87
【新規】共創ビジネスの実践 p.185
【新規】内製化の事例:クレディセゾンのサービス「お月玉」 p.186
【新規】内製化の事例:株式会社フジテレビジョン p.187
【新規】共創の事例:トラスコ中山 MROストッカー p.188
【新規】「営業力」は「大好き力」 p.249
【新規】営業目標達成を支える2つの要件 p.250
【新規】「活動生活」の3部類 p.251

ITインフラとプラットフォーム編
【新規】シングル・サインオン(SSO)・システム 1/2 p.111
【新規】シングル・サインオン(SSO)・システム 2/2 p.112
【新規】Microsoftのセキュリティ・プラットフォーム p.119
【新規】移動体通信システムの歴史 p.255
【新規】5Gのビジネスの適用領域 p.256
【新規】5Gの普及段階 p.261
【新規】5GによるIT/SIビジネスへの影響 p.267

サービス&アプリケーション・先進技術編/AI
【新規】スマート・スピーカー p.53
【新規】新しい学習方法 p.106

クラウド・コンピューティング編
【新規】オンプレとパブリック・クラウドの関係の推移 p.106

テクノロジー・トピックス編
【新規】ニューロモーフィック・コンピュータ p.62

下記につきましては、変更はありません。
 開発と運用編
 サービス&アプリケーション・先進技術編/IoT
 サービス&アプリケーション・基本編
 ITの歴史と最新のトレンド編

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