【図解】コレ1枚でわかるM2MとIoTの違い
モノにセンサーを組み込み、データを収集するという仕組みはIoTという言葉が登場する前からありました。1964年に開通した新幹線、1974年に運用が始まった「地域気象観測システム:アメダス」、1970年代に始まった生産設備の自動化などでも、同様の仕組みが使われていました。しかし、それらはどれも特定の業務目的に特化し、アプリケーションもネットワークもその業務に特化した専用の仕組みで、業務の効率化や品質の向上、安全管理の目的で使われていました。そのため、そこで得られたデータを他のサービスで再利用することは想定されていませんでした。このような仕組みは、M2M (エム・ツー・エム:Machine to Machine)と呼ばれるようになります。
その後、携帯電話やスマートフォンの普及と共に、センサーやコンピュータの小型・高性能化、低価格化が進み、通信も高速になり料金が大幅に下がりました。これにより、情報の精度や粒度が大幅に高まりました。また、インターネットやクラウドの普及とともに、様々な「モノ」がインターネットに接続され、データが広範かつリアルタイムに収集できるようになりました。さらに、モノ同士がお互いにつながるようになり、そのデータがクラウドで処理される仕組みが登場します。そして、IoTという用語がM2Mに置き換わるように使われるようになりました。
IoTがかつてのM2Mと本質的に違うのは、センサーを搭載した機械やモノの数が桁違いに多いこと、インターネットやクラウドというオープンな仕組みの上でモノだけではなく人、データ、プロセスがつながり、新たな組合せを生みだすことができることです。例えば、
スマートフォンのGPSで自分の位置が分かります。そのデータを大量に集め、解析すれば、地図上に「道路の渋滞状況」を表示させることができます。
自動車に組み込まれたセンサーで、運転手の運転の仕方を分析し、安全運転をしている運転手の保険料を割り引く自動車保険が登場しています。
損保会社は、気象情報企業が提供する気象データを使い、将来の住宅や設備の損害請求を予測し、悪天候や災害が起こるリスクや影響を地域ごとに定量化することができます。このリスク情報に基づいて、契約者個別の保険を組むことや財務上のリスクを減らすことができます。
IoTはモノ・人・データ・プロセスをネットワークでつなぎ、これまでには無かったサービスや社会システムを登場させる基盤となるのです。そして、これまでのビジネスの限界をブレークスルーし、イノベーションを生みだす環境を提供しようとしているのです。
最新版(10月度)をリリースしました!
ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー/LiBRA
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・人工知能についての新規チャートと解説を大幅に増やしました。
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ITの歴史と最新のトレンド
【新規】コンピュータとは何か p.3
【新規】コンピュータ誕生の歴史 p.4
【改訂】歴史から見たITトレンド p.5
クラウド・コンピューティング
【改訂】クラウドの定義/サービス・モデル (Service Model)・詳細 p.35
【新規】マルチテナント方式の課題を解決する選択肢 p.40
インフラ&プラットフォーム
*変更はありません
サービス&アプリケーション・先進技術/人工知能とロボット
【改訂】コレ1枚でわかる人工知能とロボット・解説改訂 p.11
【改訂】人工知能の3つの役割と人間の進化・解説追加 p.11
【新規】自動化と自律化の領域 p.15
【改訂】自動化から自律化への進化 p.16
【改訂】人工知能やロボットの必要性・解説追加 p.22
【改訂】「人に寄り添うIT」を目指す音声認識・解説追加 p.35
【新規】機械学習と推論(1)〜(3) p.47-49
【新規】ディープラーニングの音声認識能力 p.55
【改訂】人工知能・機械学習・ディープラーニングの関係・解説改訂 p.56
【改訂】第3次AIブームの背景とこれから・解説改訂 p.57
【改訂】「記号処理」から「パターン認識」へ・解説改訂 p.63
【改訂】人間の知性の発達と人工知能研究の発展・解説改訂 p.64
【新規】人間の知性と機械の知性 p.85
サービス&アプリケーション・先進技術/IoT
【新規】IoTの三層構造 p.41
ビジネス戦略
【新規】デジタル・トランスフォーメーション p.4
サービス&アプリケーション・基本
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サービス&アプリケーション・開発と運用
*変更はありません
トピックス
*変更はありません
講演資料
未来を味方にする学び方
実施日: 2017年9月26日
実施時間: 50分
対象者:ITベンダー・情報システム部門
最新トレンドの勉強方法について、自ら体験を交えて解説。