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【図解】コレ1枚で分かるLPWAと主要3方式の比較

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IoT(Internet of Things/モノのインターネット)が本格的に普及するとデバイス数は爆発的に増加するとみられており、その数は数年のうちには数百億個にも達すると言われています。これらデバイスに求められる無線通信として期待されているのがLPWA(Low Power, Wide Area:省電力広域無線ネットワーク)」です。

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LPWAとは、低滞域ですが低消費電力で半径数キロ~数十キロの通信が可能な無線通信技術の総称です。

低消費電力の無線ネットワークには、BluetoothやZigBeeなどがありますが、これらは電波を遠くまで飛ばすことはできず、1つの中継器でカバーできる範囲は限られてしまいます。広域に大量のモノを配置し、センサーデータを取得しなければならない場合には、多数の中継器を設置する必要があり、IoT用途には向きません。

また、広域をカバーできる3G/LTEの携帯電話のネットワークでは、1回線あたり月々数百円〜数千円の通信料金が必要となることに加えて、モノに組み込む通信モジュールも高額になり、消費電力も大きいことから、これもまたIoT用途には向きません。

LPWAは、こうした課題を解決する通信手段として登場しました。通信速度は100bps~数十kbps程度であり、3G(下り最大14.4Mbps/上り最大5.76Mbps)/LTE(下り最大150Mbps/上り最大50Mbps)と比較すると桁違いに遅い通信速度ですが、用途を絞り込めば圧倒的な低消費電力で広域での通信を可能にし、通信モジュールが低価格であることからも、IoTのための無線ネットワークとして期待されています。

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主要な方式として、「LoRaWAN」「NB-IoT」「SIGFOX」があります。

LoRaWAN

ゲートウェイを1台設置すれば、半径数キロ~数十キロの範囲でネットワークを自由に構築することができます。これは他の2つと大きく異なる点で、NB-IoTやSIGFOXがカバーしていない山奥などでもネットワークを構築することができます。

LoRaWANの仕様は、約400社が参加するLPWAの標準化推進団体「LoRa Alliance」でオープンに策定されており、各企業が得意分野を生かしてサービスの差別化を進めています。

LoRaWANに対応したゲートウェイ1台の価格は数万円~数十万円で、1台で半径数キロ~数十キロの範囲をカバーできることから、トータルで考えれば低コストでの利用が可能になります。例えば、「SORACOM Air for LoRaWAN」の場合、ゲートウェイ×15台、デバイス×6万台の場合、月額7.6円ほどで利用できます。

NB-IoT

通信事業者が既に保有しているLTEの基地局をそのまま利用できることから、携帯電話事業者が積極的に取り組んでおり、早期に全国規模をカバーできると期待されています。

これまでのLTE回線の基地局をそのまま使えることから、通信品質や災害時の対応などでも安心感が高く、双方向通信が可能で、速度は比較的速く、LoRaWANのようにゲートウェイを設置する必要がない、といったメリットがあります。

ただし、具体的なサービスはまだ始まっていないことから、料金が未定であり、実績もこれからといった懸念もあります。

SIGFOX

仏SIGFOX社の独自規格ですが、破格の安さが特徴で、その金額は、1日2回通信するデバイスが100万台以上あれば、1回線あたりの通信料金は年100円となり、月額換算すると、10円以下になります。

また、日本を含む25カ国の主要都市で既に実績があり、同一のネットワークとクラウドを利用できることで、グローバルにデバイスを展開する場合などに向いています。

日本でのサービス開始当初(2016年10月)、通信速度はデバイスからクラウドへの上りだけでしたが、2017年11月から通信に関わる制度改正に伴いこの制約もなくなり、下り600bpsのサービスが提供される予定です。

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