「無理をさせ、無理をするなと、無理を言う」、そんな「働き方改革」はやめよう!
「無理をさせ、無理をするなと、無理を言う」
残業はしないでくだい。有給休暇も全て消化して下さい。でも仕事の量や成果はいままでと変えないで下さいね。いや、もっと働いて下さい。
働き方改革に、こんなイメージを持ち人もいらっしゃるのではないでしょうか。この課題に果敢に挑まれているサーバーワークス・代表取締役の大石良さん、そして、新日鉄住金ソリューションズ(NSSOL)・人事本部キャリア採用センター所長の岡田康裕さんをお招きし、「エンジニアの幸せな働き方」と銘打って、トークセッションをおこないました。
ファシリテーターはMicrosoftでWindowsの開発、GoogleでWeb検索などのプロダクトマネージメントとChromeの開発に携わった後、プログラマの情報共有サービスを運営するIncrementsに転職後、いまはフリーとして企業やNPOなどへの支援を行っている及川卓也さんにお願いしました。
このイベントは、私が主催するITソリューション塾・第25期の最終日・特別補講として、塾生とその関係者90名ほどが参加して7月26日に行われたものです。
詳細につきましては、近々ASCII.jpとITmediaにてご紹介頂く予定ですので、私は手抜きして、そちらにお任せしようと思いますが、このイベントで私が感じたことをご紹介させて頂きます。
ベンチャーの雄でもあるサーバーワークスとトラディショナルな大手SIerの新日鉄住金ソリューションズ、そんな両極端な会社ではありますが、その根っ子にあるのは、そこで働く人たちの幸せをどうすれば実現できるかであり、その点は、まったく同じでした。
働きたい人に働ける機会を提供する。そのために多様な働き方を許容する一方で、ビジネスとしての成果をどのように担保するのか。その両立を実現することが、働き方改革の本質と言えるのかもしれません。
そのためには、そこに働く人が、自分は役に立つ存在であり続けたいという想いに応えることであり、その意欲を引き出して、組織が押しつけるのではなく、ひとりひとりが自律して改善することを評価し、それに応えてゆく仕組み作りが必要なのでしょう。
サーバーワークスの大石さんは、自分たちの取り組みは「働き方改革」ではなく「関係性改革」だと話されていました。若者世代が減少する時代、企業が社員を選ぶ時代から社員が企業を選ぶ時代へと変わってゆきます。そんな会社と社員の関係性が変わる時代に、社員に選ばれる会社にしてゆかなければ、企業の存続も成長もないというのです。そのために、試行錯誤を繰り返している大石さんの話を聞いて、経営者の矜持を感じました。
NSSOLの岡田さんの話しは、ある意味とても切実でした。問題意志や目指すべき方向に、二人の考えに違いはありません。しかし、既に大きな事業資産と組織を抱え、サーバーワークスのような機動力は発揮できません。そんな中にあっても、戦略的に、そして組織的に成果を積み上げてゆく取り組みに挑戦されています
「正直、あのくらい機動的に会社を動かせるのは羨ましいと感じました。一方で、あの機動力で徒党を組まれたら当社などひとたまりもないという危機感も覚えました。本当に貴重な体験だったと思います。」
岡田さんから、こんなコメントを頂きました。だからこそ、その危機感をバネに組織や仕組みを変えてゆこうとされています。そんな最前線に立つ岡田さんの思いは、ITソリューション塾の受講生の多くが、トラディショナルなSIerの皆さんでもるだけに、共感された方は多かったようです。
また、このイベントの一番の立役者は、なんと言っても及川卓也さんでした。よく考えられたシナリオ、それにこだわりつつも、会場との対話を怠らずに臨機応変に質問を組み立て、大石さんや岡田さんの本音を引き出してゆくファシリテーション能力は頭が下がる想いです。
自分はこう思う、こう考えているを押しつけがましくなく、それでいて真摯に問いかけ、相手に考えさせることで新たな気付きを与えて言葉を紡ぎ出す妙は天才的でした。彼とは、災害ボランティア団体の設立に共に関わり、そのファシリテーションのすばらしさはよく知っていました。しかし、それでも、自分の主催するイベントで、彼の本領を遺憾なく発揮してくれたことに改めて感動し感謝しています。
クラウドや自動化の範囲が拡がる中、状況を整理し、人の考えを引き出し、向かうべき方向を合意する。そんなファシリテーション能力は、これからのエンジニアに求められるものです。そんな典型を見せられたことも、このイベントを開催したことの成果だったと思っています。
最後に、お二人がどうやって自分の能力を磨いているかの話になりました。細かいことは割愛しますが、「チャレンジ」なんでね。自らを厳しい状況に追い込むことで、自分を成長させる。そんな実践者だからこそ、求められる存在になれるのだということを、あらためて確認することができました。
新入社員のための最新ITトレンド・1日研修
「お客様の話しに、ついてゆけません。言葉が分からないんです。」
こんな話をする新入社員は少なくありません。もちろん経験のない彼らが仕事をうまくこなせないのは当然のことです。しかし、「言葉が分からない」というのは別の問題です。
IoT、AI、クラウドなどのキーワードは、ビジネスの現場では当たり前に飛び交っています。しかし、新入社員研修ではITの基礎やプログラミングは教えても、このような最新ITトレンドについて教えることなく現場に送り出されてしまいます。そのため、お客様が何を話しているのか分からないままに、曖昧な応対しかできず、自信を無くしてしまう、外に出るのが怖いなどの不安をいだいている新入社員も少なくないようです。
そんな彼らに、ITの最新トレンドを教え、ITがもたらす未来への期待、そこに関わることへの誇りを持てるようにと企画しました。
参加費が1万円なら、懐の寂しくても自腹で参加できるはずです。また、既に新入社員研修の予算を使い切った企業でも、何とかやりくりして頂けるのではないでしょうか。そんな想いで、この金額にしてみました。また、100ページを超えるテキストは、パワーポイントのままでロイヤリティフリーで提供させて頂きます。
実施内容
- 日時:下記日程のいずれか1日間(どちらも同じ内容です)
- 【第1回】8月28日(月)10:00〜17:00
- 【第2回】9月04日(月)10:00〜17:00
- *昼休み1時間、休憩随時
- 会場:株式会社アシスト・本社1階セミナールーム/市ヶ谷
- 定員:50名/回
- 費用:1万円(税込10,800円)
- 新入社員以外(例えば、他業界からIT業界に転職された方や人材開発・研修担当の方)で参加されたい場合は、3万8千円(税込 41,040円)でご参加いただけます。
- 内容:
- ITビジネスの歴史と最新トレンド
- クラウド・コンピューティング
- ITインフラと仮想化
- サイバーセキュリティ
- IoT
- AIとロボット
- アジャイル開発とDevOps
- これからのITとITビジネス
詳しくはこちらをご覧下さい。
【図解】コレ一枚でわかる最新ITトレンド 増強改訂版
- 何ができるようになるのか?
- どのような価値を生みだすのか?
- なぜ注目されているのか?
「知っている」から「説明できる」へ
実践で「使える」知識を手に入れる
- IoT とインダストリー4.0
- AR とVR
- 人工知能と機械学習とディープラーニング
- サーバ仮想化とコンテナ
- ネットワーク仮想化とSD-WAN
- アジャイル開発とDevOps
- マイクロサービスとサーバレス
キーワードは耳にするけど、
それが何なのか、何ができるようになるのか、
なぜそんなに注目されているのか理解できてなかったりしませんか?
最新版(7月度)をリリースしました!
ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー/LiBRA
最新版【2017年7月】をリリースいたしました。
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今月度は、AIとIoTを中心に大幅に資料を追加しています
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ビジネス戦略編
【新規】3つのIT:従来のIT/シャドーIT/バイモーダルIT p.23
サービス&アプリケーション・先進技術編/人工知能とロボット
【新規】IoTとAIの一般的理解と本当のところ p.4
【新規】人工知能の3つの役割と人間の進化 p.12
【新規】自動化から自律化への進化 p.16
【新規】スマートマシンの必要性 p.16
【新規】人工知能のロボットへの実装 p.24
【新規】専門家と人工知能 p.26
【新規】人工知能は知的望遠鏡 p.27
【新規】ITと人間の関係の変遷 p.33
【新規】これまでの学習とディープラーニング p.42
【新規】ルールベースと機械学習 p.43
サービス&アプリケーション・先進技術編/IoT
【新規】IoTとAIの一般的理解と本当のところ p.15
【新規】従来のやり方とIoTの違い p.18
【新規】LPWAとは p.51
クラウド・コンピューティング編
変更はありません
サービス&アプリケーション・基本編
【新規】ERPシステム/パッケージとクラウドでの利用形態 p.11
【新規】SOAの狙いと成果 p.27
開発と運用編
【更新】ウォーターフォール開発とアジャイル開発 p.17
インフラ&プラットフォーム編
【新規】認証基盤 p.117-118
【新規】認証に関わる課題 p.119
【新規】シングルサインオンとフェデレーション p.120
【新規】Apache Spark p.179
トピックス編
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ITの歴史と最新のトレンド編
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新刊書籍のご紹介
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