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OJTという「雑用」や「ほったらかし」で、成長の芽を摘んではいないだろうか?

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連休明けから新入社員の現場配属が始まるところもあるかもしれません。先日、そんな彼らと話しをする機会がありました。

「大変です」、「よくわからないことばかりで」、「覚えなくちゃいけないことがありすぎです」などと自分たちの未熟を訴えながらも、なんだか楽しそうに見えました。

彼らを見ていて思うことですが、しっかりと自分の未熟を自覚しています。だからこれではだめだ、何とかしなければとあせっています。

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啐琢同時(そつたくどうじ)という言葉があります。雛が卵から産まれ出ようとするとき、殻の中から卵の殻をつついて音をたてます。これを「啐」と言います。その機を逃さず親鳥が外から殻をつつきます。これを「啄」と言います。そしてこの「啐」と「啄」が同時に行われて、初めて殻が破れて雛が産まれるわけです。つまり、求めるものと与えるものが、タイミングを逸することなく同時に行われるとき、人は大きく成長できることのたとえです。

育成を効果的にと考えるならば、このタイミングを逃さず、最大限に利用しなければなりません。

教えられたら学ばない、やれと言われればやりたくないのが人情です。しかし、彼らは違います。彼らはいま、大いに渇望している、何とかしたいと心から願っているのです。だから育成の役割を担う人は、渇望している彼らに、その渇望を満たす手段を提供すればいいのです。

「渇望を満たす手段を与える」とは、「渇望を満たすこと」とは違います。どうすれば、自分の力で渇望を満たすことができるか、その方法を身につけさせることです。答えを与えてしまっては、人は成長のチャンスを逸してしまいます。そうではなく、答えを手に入れる方法を与えることで、自ら成長したいという意欲を後押しするのです。

育成とは、「渇望」と「手段」を提供し続ける取り組みといえるかもしれません。手段と言っても細かな作業を指示するのではなく、状況の解釈、戦略の建て方、直面する課題を解決するための対処の仕方などの仕事のフレームワークというべきものです。このような手段を教えても、未熟故に失敗もするでしょう。しかし、未熟を自覚している彼らならば、それもまた貴重な経験となり、能力の定着に大いに貢献してくれるはずです。

しかし、現実に目を向けると、求める人がいるのに、「OJTというほったらかし」で、せっかくの成長の芽を摘んではいないでしょうか。

「明日から、OJTリーダーとして新人の面倒を見なさい。やり方はおまえに任せるから」

これでは、任された人は何をすればいいのか迷ってしまいます。なかには、OJT=仕事体験と思い込み、自分のやりたくない雑事を押しつけてOJTをやっていることにしてしまう。しばらくはこれもまた新人諸氏には新鮮で、大変ながらもそんなものだと思って仕事をこなすでしょう。しかし、このような仕事に達成感を見いだすことはなかなかありません。次第に意欲がなくなって行く。つまり、学びたいという意欲を失って行く。これでは、OJTの本来の役割を果たしません。

人は、自分のやることに納得できる目的があり、それが自分の成長に結びつくものであり、自主的に行える裁量を与えられれば、たとえそれが大変であっても喜んで立ち向かいます。OJTリーダーのミッションは、そういう仕事をアレンジし、環境を整え、彼らに与え続けることです。

もう一つ大切なことは、仕事の楽しさを伝えることでしょう。ただし、その方法は言葉とはかぎりません。そういう気持ちで仕事をしている姿を見せることが大切です。

大変だけど、楽しい

そんな姿を見せることもまた、OJTリーダーの大切な役割だと思います。

「このままではだめだ!」と心底思える時期は、人生にそう何度も訪れません。そんな人生の貴重な時期に関わる仕事がOJTリーダーという仕事です。その自覚を持つことが、OJTリーダーの最初の仕事かもしれません。

O = 教えるの J=じゃまくさいから T=適当にやっといて

そんなことにならないようにしたいものです。

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【新規】操作の無意識化と利用者の拡大 p.21
【新規】自動化・自律化によってもたらされる進歩・進化 p.22

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