【図解】コレ1枚でわかるIoT *改訂版*
モノが直接インターネットにつながり、モノ同士が、あるいはモノとクラウドが、さらにはモノとヒトとがデータをやり取りするIoT(Internet of Things:モノのインターネット)が、様々なところで使われ始めています。
現実世界のデジタル・コピーを生みだすIoT
2009年、インターネットにつながっていたモノは25億個あったとされていますが、2015年には180億個に、そして2020年には500億個に達するであろうという予測もあります。
モノは私たちの日常生活や社会活動の様々な活動を、あるいはモノの周囲の環境や変化をセンサーで捉え、それをデジタル・データとしてインターネットを介して送り出します。それは、私たちの現実世界のデジタル・コピーがサイバー世界、すなわちクラウドの中に作られると言うことです。インターネットにつながるモノの数が増えれば、ますます精緻な現実世界のデジタル・コピーが出来あがることになります。
デジタル・コピーを分析して役立つ情報を見つけ出す
膨大な数のモノから送り出されるデータもまた膨大となります。しかし、データをただ溜め込んでいても仕方がありません。そこで、この膨大なデータを分析し、出来事の因果関係を明らかにしたり、規則性を見つけたり、データを使っての模擬実験(シミュレーション)を繰り返したりして、私たちの社会活動や生活を快適で安心なものにするための情報を探し、最適な答えを見つけることなどに役立てます。その手段として、従来からある統計解析に加え、人工知能の技術である「機械学習」が活躍しています。
こうして得られた情報を使って機器を最適に制御し、交通システムを安全に管制し、健康のためのアドバイスを提供するといった価値が生みだすのです。
IoTが生みだす3つの価値
「現実世界をデータで捉え、現実世界とITが一体となった社会を実現する」
IoTを定義すれば、このような表現になるかも知れません。では、どのような価値が生みだされるのでしょうか。
■モノ同士がつながり全体で協調・連携する
前を走っている自動車がスピードを落とせば、後方の自動車もそれにあわせてスピードを落とします。自動車と信号機がつながり、通行量に応じて信号機の点灯を制御すれば信号待ちがなくなりスムーズな走行が実現します。その結果、渋滞は解消され、無駄なガソリンの消費も抑えられ、環境にやさしい輸送が実現します。このように、モノ同士がつながることでモノがお互いに協調・連携しながら、全体最適を実現してくれるのです。
■クラウドにつながりモノ自身が賢くなる
- 電子レンジはクラウド・サービスからいま話題の料理のレシピを手に入れ最適な調理時間や調理法を設定してくれます。
- 冷蔵庫は少なくなった常備食材を検知して自動で発注してくれます。
- 自動車にこれから食べたい料理について話しかけると、おすすめのレストランを紹介し予約しくれます。そして渋滞のない快適なルートに沿って自動車を走らせてくれるでしょう。
モノに大きなデータや頭脳を持たせることはできませんが、モノにつながったインターネットの先には、ほぼ無尽蔵のデータ格納場所と計算能力を持った頭脳であるクラウドがあります。モノは、このクラウドとの組合せで、モノ単体ではなしえない強力な頭脳を持つことができるのです。
■モノがリアルタイムでつながり"いま"の事実を教えてくれる
- 航空機のジェット・エンジンの稼働状況がリアルタイムに分かることで、故障や不具合を即座に把握できパイロットに適切な指示を与えることや、着陸先の空港で交換部品やエンジニアを事前に待機させておき、着陸後すぐに点検修理して次のフライトを欠航させないといった対応ができます。
- いま現在の道路の混み具合や今後の渋滞予測に応じて、自分の乗っている自動車を最適なルートに誘導してくれます。
- 災害が起きたとき、スマートフォンやウェアラブルを持っている人の動きをリアルタイムで捉えながら、安全な避難経路へと誘導してくれます。
このようにモノがリアルタイムにつながることで、その時々の最適なモノやヒトの動きを実現したり、モノを販売からサービスへ転換したりといったビジネス・モデルの変革が可能になるのです。
IoTは単一のテクノロジーではなく「ソリューション」
IoTは単一のテクノロジーではなく、多様なテクノロジーの組合せによって実現される「ソリューション」だとういうことです。例えば、
- 現実世界のアナログな出来事をデジタル・データとして読み取るセンサー
- 低消費電力で広域な通信(LPWAネットワーク)
- 膨大なデバイスを認証しログを管理する認証・デバイス管理基盤
- 多様な形式のビッグデータを維持管理するデータベース
- それらを解析し価値ある規則性や関係性を見つけ出す機械学習など
これらを組合せることによって、ビジネス・プロセスを変革し、課題を解決するための取り組みだということです。まずは、解決すべき課題が前提です。そして、その課題に対してどのよう解決するかにより、必要とされるテクノロジーの組合せが変わることも理解しておく必要があるでしょう。
【募集開始】ITソリューション塾・第24期
来年最初のITソリューション塾・第24期を2月8日(水)から開催します。第24期は、IoTやAIのビジネス戦略にも一層切り込んでみようと思っています。また、情報セキュリティの基本やDevOpsの実践についても、それぞれの第一人者から学びます。多くの皆様のご参加をお待ちしています。
- 会場 : アシスト株式会社・本社@市ヶ谷
- 日程:2月8日(水)〜4月26日(水)の毎週1回×11回 *但し、3月最終週は休みとなります。
- 時間:18:30〜20:30
- 定員:80名(前回参加者 84名)
お願い
- 毎期早い段階で定員に達しています。手続き等で時間はかかるが、参加のご意向をお持ちの場合は、事前にメールにて、その旨をお知らせください。
- 個人でのご参加の場合は、消費税分を割り引かせて頂きます。
- 今回の期間は、予算期を跨ぐところもあるかと思いますが、今期または来期のいずれか、または、両期に分けて支払いという場合は、個別にお知らせください。
詳細のご案内、および、スケジュールのPDFダウンロードは、こちらをご覧下さい。
新刊書籍のご紹介
未来を味方にする技術
これからのビジネスを創るITの基礎の基礎
- ITの専門家ではない経営者や事業部門の皆さんに、ITの役割や価値、ITとの付き合い方を伝えたい!
- ITで変わる未来や新しい常識を、具体的な事例を通じて知って欲しい!
- お客様とベンダーが同じ方向を向いて、新たな価値を共創して欲しい!
斎藤昌義 著
四六判/264ページ
定価(本体1,580円+税)
ISBN 978-4-7741-8647-4 Amazonで購入
12月改訂版をリリースしました!
ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー/LiBRA
- 先進技術編のドキュメントが大幅に追加されたため、「IoT」と「人工知能とロボット」の2つのファイルに分割しました。
- アジャイル開発とDevOpsについてドキュメントを追加しました。
- 解説文を増やしました、
【講演資料とトピックス】
【改訂】ITソリューション塾・特別講義・Security Fundamentals / 情報セキュリティのジアタマを作る
【先進技術編】
「IoT」と「人工知能とロボット」のプレゼンテーションを分割しました。
IoT(92ページ)
【更新】モノのサービス化 p.29-30
【新規】コンテンツ・ビジネスの覇権 p.31
【新規】ガソリン自動車と電気自動車 p.32
【更新】ITビジネス・レイヤ p.49
【新規】インダストリアル・インターネットとインダストリー4.0 p83-84
人工知能(92ページ)
【新規】統計確率的機械学習とディープラーニング p.25
【新規】人工知能とは p.31
【新規】人工知能の得意分野と不得意分野 p.47
【新規】自動運転の定義 p.69
【基本編】(104ページ)
【新規】アジャイル・ソフトウエア宣言 p.59
【新規】アジャイル・ソフトウエア宣言の背後にある原則 p.60
【新規+改訂】DevOpsとは何か? p.66-69
【新規】DevOpsとコンテナ管理ソフトウエア p.74-77
【新規】マイクロサービス p.78
【新規】オーケストレーションとコレグラフィ p.79
【新規】AWS Lambda p.80
【新規】サーバーレスとサーバーレス・アーキテクチャ p.81
【ビジネス戦略編】(98ページ)
【新規】デジタルトランスフォーメーションの進化 p.7
新刊書籍「未来を味方にする技術」紹介 p.91
【テクノロジー・トピックス編】(49ページ)
【新設】FPGAについて新しい章を作り、解説を追加しました。 p.39-48
【ITの歴史と最新のトレンド編】(13ページ)
変更はありません。