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なぜ競合となってしまうのか、どうすれば競合を避けられるのか

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なぜ、競争になってしまうのか?

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それは、お客様の「求めていること」に応えようとしているからだ。例えば、

  • 業務データの分析スキルを提供して欲しい。
  • PCを100台導入したい。
  • このプロセスの作業時間を半減したい。

などは、お客様は自らが直面している課題と自分が知っている範囲での解決策を示しているに過ぎない。もし、これらに応えようとすれば、

  • 分析スキルを持った人材を見つけて紹介しなければならないが、そう簡単にそんな人材は見つからない。外部に委託するとしても選択肢は限られていて、特定のパートナーと組むことが競争になってしまう。
  • 仕様が同じPCならば機能や性能に差はなく、価格競争を強いられる。
  • 作業時間を半減するための手段はお客様から示されているので、その手段をいかに安く提供するかの競争になってしまう。

お客様の「求めていること」に応えるだけでは、競合他社との違いを作ることは難しい。他社にはない分析スキルを持っている、価格が1/10のPCを提供できる、工数を大幅に半減できるソフトウエアやハードウェアを提供できるなど、「商品力」に圧倒的な優位性があれば、手段の優位性で勝つこともできるが、もしそうでないとすれば、勝負の土俵を変えなくてはならない。例えば、

  • 分析スキルを活かすためには、分析の対象となるデータを系統的に収拾、管理する情報活用基盤の構築が必要だ。それらも合わせて構築すること、また、オープンデータとの比較、機械学習による効率化なども必要ではないだろうかと提示する。
  • PCを100台導入するとは手段に過ぎない。その目的を知ることだ。その目的を達成する手段としてもっと良い方法はないだろうかと他の選択肢を徹底して考え、PC100台と合わせて検討してもらう。
  • 作業時間を減らしたいプロセスには、必ず前後のプロセスがあるはずだ。特定のプロセスの削減だけではなく、当該プロセスを含む全体プロセスを考え、全体を最適化することでより大きな価値を引き出してはどうかを提案する。

お客様が求めていることは、手段を手に入れることではない。その手段を使って目的を達成することだ。その目的を確認し、その目的達成のレベルをもっと引き上げることができるかもしれない解決策を提示することで、検討の土俵を変えることができれば、競争は回避できる。

もちろん、それらの解決策がお客様の予算の上限や権限を越えてしまうことはあるだろう。また、自分たちが直ちに提供できないものを含んでいることもある。しかし、大切なことは、お客様の価値を最大化することだ。そのためのあるべき姿を「自分の正解」として明確にし、それを示すことで、真の解決とは何かを相手に理解させることだ。そして、それを実現するためのステップの中に、先ずできることを組み込んで行く。そして、自分たちだけではできないことを解決する手段も検討する。

お客様はあなたの提供する手段を求めているのではなく、課題を解決したいのだ。そこに応える手段を提供するという視点を持たなければ、お客様の立場に立っているとは言えない。

競争を避けることが、営業効率を高める上では大切だ。そのためには、競合他社よりも魅力的なゴールを示すことだ。そうすれば、お客様はこちらの話に耳を傾けてくれる。こういうアプローチを繰り返すことで、お客様は、まずは貴方に相談してみようとなり、競合に対する優位を確保できるようになる。

お客様の業務や経営、その業界、テクノロジーや製品・サービスの動向に関心を持ち続けることだ。そして、お客様からテーマが与えられたならば、徹底して調べ、考え、自分の見解を持つことだ。そういう習慣を身につけることが、競争を回避する上で有効な手立てとなる。

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目次

  • 第0章 最新ITトレンドの全体像を把握する
  • 第1章 クラウドコンピューティング
  • 第2章 モバイルとウェアラブル
  • 第3章 ITインフラ
  • 第4章 IoTとビッグデータ
  • 第5章 スマートマシン

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