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仮想化からSD(Software-Defined)へ

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仮想化の技術を使うことで、次のふたつの価値をユーザーは享受することができる。

物理的資源の削減

物理マシンの台数を減らすことができる。これにより、システム資源の稼働率を高め、システム資産の購入を減らすことができ、電量消費を削減し、電気料金やCO2の排出量を削減できる。

ソフトウェア管理への移行

システム資源の調達や構成の変更をソフトウェアによる設定作業として行えるようになる。これにより、物理的な作業を行うことなく、システムの追加、削減、複製、構成の変更の変更ができるようになる。

この仮想化の価値のひとつである「ソフトウェア管理への移行」を様々なシステム資源に広く適用した概念がSD(Software-Defined)だ。

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システムを構成する要素は、サーバー、ストレージ、デスクトップPC、ネットワークなどだが、これらシステムの物理資源をまとめて抽象化し、ソフトウェアによる設定作業で、その組合せや構成をおこなうことができるようになった。対象は、特定のシステム資源だけ、例えば、サーバーだけ、あるいは、ストレージだけではなく、その組合せ全体を対象としている。

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この仕組みにより、次の3つの価値をユーザーは享受することができる。

スピードとアジリティ

システム・リソースの調達や構成の変更を、物理作業を伴わず柔軟・迅速にできる。

機器構成の変更や障害による影響の最小化

物理リソース(リソース・プール)での構成変更や障害による影響を回避、または、局所化できる。

運用の自動化

物理的な作業を伴わずソフトウェアの設定を変えることで、システム全体の構成変更や運用管理ができる。

ところで、SDという言葉が、使われるようになった背景には、SDN(Software Defined Networking)への注目がある。

SDNとは、ネットワークの構成、機能などの設定や変更をソフトウェアの操作だけで動的に行える仕組みあるいはコンセプトを指す言葉。

従来、ネットワークにサーバーを追加する場合やひとつのネットワークを複数に分割する場合には、ネットワーク管理者がケーブルの接続や機器の設置などの物理的な作業や、ルーターやスイッチなどのネットワーク機器を個別に設定しなければならなかった。

しかし、サーバーの仮想化が普及するに伴い、ネットワーク上に多数の仮想サーバーが、生成や消滅を繰り返し、物理マシン間の移動 (ライブマイグレーション)も頻繁に行われるようになった。しかし、ネットワーク管理者は、その都度、ケーブルの接続やネットワーク機器の設定を行わなくてはならず、その運用負担が大きくなっていった。

この事態に対処するために、もっと柔軟に、自由に、そして、さらには、自動的に、ネットワーク構成、あるいは、性能(QoS : Quality of Service)を設定、変更できる仕組みが求められるようになった。

そんな背景の中で、「OpenFlow」と呼ばれる新しいネットワーク標準が登場し、SDNの実現に向けた動きが加速、これを切っ掛けに、SDという言葉が広く知られるようになり、他のシステム資源やシステム全体にSDという言葉が使われるようになったようだ。

また、従来のVLAN(仮想LAN)では、「システム資源(この場合はネットワーク資源)」のソフトウェアによる動的な構成や性能の設定や変更に制約が多く、他のシステム資源と同じようにネットワーク資源を扱うことは困難だった。それが、SDNの登場と標準化への取り組みがすすんだことで、ネットワーク資源も含めたシステム資源全体のSD化に見通しが立ったこともSDが注目されるようになった理由と言えるだろう。

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