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ITプロフェッショナルとして「3年後に責任を持つ」ことの大切さ

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「皆さんは、お客様の3年後に責任を持てるでしょうか?」

ITソリューション塾の初回の冒頭でお伝えしている言葉だ。

既に16期目・5年目を迎えるITソリューション塾、毎週水曜日(10回/期)の夜にITビジネスに関わる営業、SEの皆さん60人が集まり、ITのトレンドやお客様応対に関わるスキルを講義している。

「皆さんが提案するシステムは、3年後にも使われているはずです。そのときも、ちゃんと役に立つシステムであり続けるでしょうか?そのことに責任を持つことができますか?」

ITの進化は留まることはない。新製品や新しいサービスもどんどん出てくる。そんな中で、3年後まで責任を持てと言うことは酷な話だと、思われる方もいるかもしれない。

確かに、製品やサービス、そこに関わるプレーヤーの3年後を見通して、それに責任を持てと言われても容易なことではない。しかし、新しい製品やサービスが世の中に出てきたとき、なぜ、こんな製品が出てきたのだろうかと、問い掛け、他の同様の製品やサービス、あるいは、そういうモノとの関係や、ビジネスや生活にどのような価値を生みだし、影響を与えるのだろうかを考えてゆくと、そこには、なんらかの必然があることに気付かされる。そういうモノの見方を続けていると、製品やサービスが生まれてくる法則やメカニズムに気付かされる。

私は、これが「トレンド」だと理解している。日本語に訳せば、「時流」という言葉がふさわしい。まさに、時の流れの中で、過去何が起こり、今何が起こっていて、次に何が生みだされようとしているかを、理解しようという試みが、トレンドを理解しようという態度なのだろうと思っている。

ディスプレーや雑誌に散らばるキーワードを拾い集め、それを脳みそにコピペしても、それでトレンドを理解できたとは言えない。時の流れを追いかけながら、その言葉がどのような必然の中で出現し、それはどうなってゆくかを考えることこそ、トレンドに向き合う態度なのだと思っている。

こういう態度を持ってテクノロジーに向き合いながら、今のことだけでは無く、これからどうなるかを考えなくてはならない。

また、そういう広い、そして、深い視野から、自分達が扱う製品やサービスの位置づけを問い、それを正直にお客様に伝えることも必要だろうと思っている。お客様とて、如何なる製品やサービスにも完璧など無いことは十分理解されている。だからこそ、トレンドという客観的目線で自らの提案を位置付け、ポジティブなことばかりでは無く、ネガティブなことをもあわせて、伝えるべきである。そして、そのネガティブを自分達ならどのように補うかを、自信を持って伝えることが、お客様の信頼を深めることにつながる。

また、トレンドへのこのような客観的態度を持てば、お客様は何をおいてもまず先に貴方に相談するだろう。そうなれば、自然とビジネス・チャンスが舞い込んでくる。売り込まずして、売れるということでもある。

トレンドへのこのような態度を貫けば、どのようなテクノロジーが受け入れられ、使われるようになるのかが見えてくる。3年の後の製品名やサービス名、詳細な技術のひとつひとつを予測ことはできないにしても、大きな方向性は見えてくるはずだ。

「3年後に責任を持つ」とは、こういう態度だと思っている。ITビジネスに関わる営業やSEの皆さんには、ぜひそんな態度を身につけていただきたいと思っている。

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