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「入れ歯専門の歯医者」が実際の症例と治療、治療に対する考え方を紹介する記事を中心に書いていきます。

高額自費治療のシリコン入れ歯は調整が一切できないので、保険治療で新しくプラスチックの入れ歯を作製した症例

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「ダメだなぁ。新品を作りましょう」

初めて来院された患者さんに、このような方針を選択するのはやむを得ないところでした。
 
長年使い慣れた入れ歯が患者さんにとって一番いい入れ歯なんだ。

これが「いとう歯科医院」の基本的な考え方です。

入れ歯は使い込むほどしっくりと馴染んでまるで自分の身体の一部のように一体化してきます。
むやみに新しい入れ歯を作り直すより、修理しながら可能な限り長く使っていただいた方が患者さんに負担がかからない最善の方法となるからです。

もし破損してしまったら、たとえ小さな破片でもお持ちください。
ほとんどの入れ歯は修理が可能ですし、また元のように使えるようになります。

最近ある歯科医院で数十万円かけて自費でシリコン製の入れ歯を作ったIさんですが、  
部分的に合わずに痛みが出はじめ、食事も会話も満足にできず困っていました。

ところが、悩みを訴えたものの、その歯科医院では調整できないと言われたそうです。

これが新素材の困った点です。

シリコンのような新しい素材は見た目はとても美しいのですが歯科用の修理素材や治療器具との相性が悪いものです。

・痛い部分を削ることもできない。
・ティッシュコンディショナーのような安定剤を貼ることもできない。
・後から金属バネ(クラスプ)をつける修理もできない。
・歯が抜けた部分にプラスチックの人工歯を継ぎ足す増歯修理もできない。

大変残念ですが当院でも調整はできません。

こうした新素材の入れ歯は「長く使い続けて欲しい」という方針に馴染まないため、いとう歯科では今のところ扱う予定はありません。

そこで今回は保険でプラスチックの入れ歯を新しく作りました。
これで会話も食事も不自由なくできます。

しかも気になる部分があれば、いつでも微調整が可能だと知って、Iさんは笑顔を見せてくださいました。

今回行なったIさんの入れ歯を新しく作る治療は保険適応3割負担で約8,000円でした(治療費は症状により個人差があります)。

https://www.ireba-ito.com/→いとう歯科医院

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