歯性上顎洞炎の患者さんを大学病院に紹介した症例
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「説明を受けたのですが、よく分からなくて...」と不安げな表情で来院されたUさんは40代男性の方です。
近くの歯科医院で受けた説明は割れている上の奥歯を抜いて、両隣の歯を削って、ブリッジにするか、または手術をしてインプラントにするというもの。ブリッジなら40万円、インプラントなら60万円と見積書を提示されました。
実はインプラントの説明の前に歯科医師がすべき大事な話があるはずなのにそれは一切なかったそうです。
大事な話とは、割れた歯から鼻へバイ菌が入って起こす歯性上顎洞炎で、いわゆる蓄膿症についての話です。Uさんは歯が割れたのに気がついてから数ヵ月後に青っぽい膿のような鼻水が出ていました。今は治まっていますが歯を抜くと再発する恐れがあります。
割れた歯は、抜歯後にバイ菌を除去するために上顎洞内を洗浄します。さらに検査をして原因菌を特定して適切な抗生物質で治めるなど、これらは大学病院で治療すべき専門的な治療内容です。必要なのは数十万円の見積書ではなく大学病院への紹介状です。
「そうそう、そういう話が聞きたかったんですよ!」ヒザを打ち、パッと笑顔になったはUさんは紹介状をカバンに入れて帰られました。
後日、無事に抜歯したという連絡が大学病院より封書で届きました。
いとう歯科医院ホームページhttps://www.ireba-ito.com
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