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「入れ歯専門の歯医者」が実際の症例と治療、治療に対する考え方を紹介する記事を中心に書いていきます。

骨粗しょう症の患者さんでしたが、安全に抜歯できました。

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「歯がグラグラしていて」

80代女性Jさんの治療方針は他に選択肢がなかった。グラグラしている歯を抜く。通常なら麻酔して30秒で終わります。
しかしJさんには抜歯に踏み切れない事情がありました。それは骨の密度が少なく折れやすい骨粗鬆症を治す薬を飲んでいることです。歯を抜くとその部位の骨が腐ってしまう「腐骨」という副作用が起こりやすく、発症するととても治りにくい重篤な症状です。

しかもJさんが服用している治療薬の名前に私は聞き覚えがありませんでした。薬の開発は日進月歩。インターネットで最新の情報を検索してもヒットしません。

副作用が心配です。こうなったら最後の手段。開発した製薬会社に直接電話をかけて聞くことにしました。
事務的な対応の女性に事情を説明すると「当社の新薬では腐骨は起こりません。ご安心ください。抜歯をしても大丈夫です」と即答でした。

治療薬の世界は本当に進歩が早いですね。製薬会社のお墨付きをもらって安心して治療を開始。抜歯は成功しました。
患者さんの安全安心のため、これからも勉強して最新の情報を身につけていきます。

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