汚れのこびり付いた入れ歯をきれいに磨きました。
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Kさん(60代女性)の一番の悩みは入れ歯の汚れでした。
歯ブラシでこすっても、入れ歯洗浄剤に漬けても、こびりついた汚れは落ちません。
「新しく作ったほうがいいでしょうか」と相談にこられたのです。
父と私は声をそろえて反対しました。
長年使い慣れた入れ歯を新しく作り変えるのは大きなリスクをともないます。
おそらく「前の入れ歯のほうが使える」と感じるはずです。
Kさんの入れ歯は、ご自身の歯がまだ残っているときに作ったものです。
その後、歯が抜けたときは人工の歯を作って入れ歯に継ぎ足す増歯を行い、ヒビが入ると補強の金属線を埋める修理をして、歯ぐきと合わなくなるとピンク色の床の部分に薄く裏打ちをして合わせてありました。
汚れ以外は、特に機能的な問題はなかったのです。
治療方針としては長年愛用して慣れた入れ歯を新しく作り変えることはせず、研磨することにしました。
回転エンジンでこびりついた汚れを含め、一層削ります。
それから粗研磨、中研磨、細研磨、仕上げの布ブラシでバフがけを行なうとツヤが戻りました。
新品の美しさにはかないませんが「また汚れが気になったらきれいにしてください」と嬉しそうな笑顔で帰られました。
当医院では、新品の入れ歯に交換するだけではなく、患者さんの現状を踏まえてベストの選択をするようにこころがけています。
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