自費の高額の金属床入れ歯が合わず、保険治療で小さな入れ歯を新しく作りました。
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「せっかく作ってもらったんだけど使ってなくて」
遠方から来られた50代男性のSさんが治療台に置いたのは数十万円はかかる高額な自費の入れ歯です。
さすがに立派な出来映えですが口の中じゅうが入れ歯になってしまうような異物感で、すぐに外したくなってしまうと言います。
大きな入れ歯の方が歯ぐきで支える面積が広がるので理論的には噛んだ時に安定します。
しかし同時に異物感も大きくなるので注意が必要です。
ある程度の予想はして作りますが入れ歯が使えるかどうかは、患者さんの口に入れて初めて分かることです。
今回のように入れ歯を作ってから大幅な修正が必要になることもあります。
削って小さくして合わせるのはプラスチックの入れ歯ならば容易ですが、困ったことに今回の金属床は削れない設計でした。
そこで入れ歯を新しく作ることにしました。
修正、調整が自由にできる保険治療のプラスチック製です。
違和感を感じないように小さく設計しました。
もし小さすぎたとしても、後から修理して大きくできます。
まずは口の中に入れて安定することを目標にしました。
初回で型を採って次の回に完成。
遠方からお越しなので当日は少し時間をかけて、装着と同時に咬み合わせや歯ぐきとの適合も調整しました。
「小さく作っていただいて感謝しています」と笑顔でおっしゃいました。
後日お話をうかがうと洗う時以外は入れ歯を着けたままにしているとのこと。
微調整をして治療終了にできました。
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