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誰にどんなメッセージを伝えたいのか?(民主党のTVCMを見て感じた違和感から)

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最近TVでみかける民主党のCMに感じる違和感について少し書きます。
ちなみに、特に民主党を支持するとかしないとか、政治的な思惑はここでは一切ありませんので念のため。

CMの概要は、

国民の生活は嵐の真っ只中というようなナレーションが流れ、大荒れの海にいる船の上で舵をとる小沢党首と鳩山氏、菅氏が映し出されます。揺れだか風だかで小沢氏が吹き飛んでしまい、それを他の2人が助けて船を進める。

というもの。

それで、ここにどういう違和感を持ったかというと、

  1. 舵取りをする船長がいとも簡単に吹き飛ばされるような頼りないことでいいのか?
  2. なんで3人しか船に乗っていないのだ?
  3. そもそもそんなに仲がいいとは思えない3人が助け合う美しいストーリーは誰に語りかけようとしているのか?

というあたり。

まず、政権政党をめざす決意と政治的なリーダーシップを印象付けようとするのであれば、あの頼りなさはどうかと思います。むしろ不安になるような気がします。。。

次に、自分たちだけが登場する船に国民の生活を象徴させようというのでは伝わりにくいでしょう。CMの主旨からすると、見ている人たちが自分をとりまく現状に危機感を抱き、それを克服する力が民主党にあるというイメージを抱かなければならないはずです。演出の手法の問題ということかもしれませんけど。

さらに、この3人が助け合う、小沢氏が頼りないのをサポートするという絵は、普通の人から見ると”だから何だよ?”にしかなりません。そもそも仲がよさそうでないイメージがあるので、それを払拭しようとしているのかもしれませんが、これは或る面、犯人がたまたま警官に声かけられただけで、「お、お、俺じゃねーよ、あの強盗事件は、関係ないっ!」て慌てて叫んで、ばれちゃうみたいな感じ。

いずれにしても、とても内向きにメッセージを伝えようとしている観があります。
党内、広く見ても民主党支持者をバラバラにしないためのものになっているのではないでしょうか。

本来であれば、より広い層として無党派や場合によっては自民党支持層に対しても、危機感(課題)の認識を共有し、解決のための具体的な考え方や、強いリーダーシップ、政策実現能力をアピールするものであるべきところです。

しかし、どうもそうなっている印象は無いのはどうしてなんだろう、と考えてみました。
一番根っこにあるのは、『誰に見せるのか』の観点が、ズレていることだと思います。

この教訓は、別に政党のCMに限った話ではもちろんなく、むしろ日ごろの私たちのマーケティングプロモーションにも通じるものです。

”自分たちが言いたいこと”と”受け手が知りたいこと”や、”自分たちの都合や言語”と”受け手に伝えるべきメッセージ”
は同じとは限りません。
受け手の立場や発想の仕方に合わせて、メッセージや伝達方法を設計することが求められます。いわゆる相手の気持ちになって、というやつですね。

これには、相手(受け手)が誰なのか、をしっかり定義してその典型的な人の像(ペルソナ)を明確化することが有効です。そして、常にそのペルソナに対してどうだろうかという検証を行いながら進めていくのです。

もしかしたら、この民主党のCMも当初の企画案では、もっとしみじみ感のあるものだったかもしれません。いろんな人の意見を取り入れていくうちに、方向性が変わってしまっていたり、内向きのおかしなものに化けてしまったりすることもままあるわけです。上司に受けるようにいじったとか、役員会で担当外の役員が、なんか好きじゃないって言ったので絵を差し替えたとか、、、ありますよねえ。

その修正や変更が、そうするべきなのか否かの判断は、「ペルソナに聞いてみよう」です。

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