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クラウド戦役をZガンダム視点でわかりやすく解説するブログ+時々書評。

レッドクリフと蒼天航路で考えるクラウドコンピューティングの三国志的勢力図

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日曜夜のレッドクリフ地上波放送を見た方もいるのではないだろうか。
レッドクリフや「三国志演義」を元にした日本的三国志の世界では劉備や孔明を美化し、
曹操を悪役とするイメージが一般的だと思われるが、その画一的な描画で植え付けられた
価値観が必ずしも唯一絶対のものかどうかはわからない。

クラウドコンピューティングをZガンダムのグリプス戦役視点で解説する、というのが
このブログの趣旨である。あらかた想像がついていると思われるが、マイクロソフトが連邦系、
Google、Amazon、Oracle、IBM、Sunなどはジオン系勢力と勝手に妄想して話を進めている。

同じように三国志の赤壁の戦い前後で考えた場合、GAEのJava対応の一件を踏まえて考えると
曹操=マイクロソフト、劉備=Google、孫権=Sun(Java)といったところだろうか。
人徳で孔明他有能な武将を従えている劉備の人気や、企業としては防戦一方ながら、
周瑜率いるJavaコミュニティの熱い支持を失っていない様子は、レッドクリフ派にとって
心地よいものだろう。攻め入る宿敵マイクロソフトを計略で退けてやろうと…。

だが、同じ三国志を描くストーリーでありながら「蒼天航路」的に考えるとその認識は一変する。
「モーニング」読者にはおなじみの「蒼天航路」がアニメ化されて放映されている
戦闘シーンの描画的に気になるところがあるのか、仕事から帰って寝る前にテレビを見る
30-40代をターゲットにしているのかわからないが、深夜時間帯での放送となっている。

『三国志演義』では悪役であった曹操に「最も人に興味を示した英雄」とし
てスポットライトを当てる。屯田制の採用や政治・文学における儒教からの分離等の政策から
パイオニア的精神を中心に据えた曹操像を導き出し、劉備・諸葛亮との対立を
(ある種の儒教的精神により美化されて来たイメージと定義した上で)その延長線上に置く。
(wikipedia日本語版解説より引用)

実際、反対側の陣営からマイクロソフト側に身を置いてみると、パイオニア精神や
自社プラットフォームの開発者を大切にする姿勢、お客様やパートナー企業との
ビジネス対話に真摯に向き合う姿勢が大企業になりながらも失われていないことに気づく。
敵対していた頃に思い描いていたイメージと、中にいる人たちの振る舞いの違いに
転職後しばらくは違和感を感じていた。

特に昨年PDCで発表されて以降、日本でのTechDaysmix09などを通じて語られている
Azure関連や従来のWindows LiveにMeshテクノロジを加えた世界観を再構築中の
Live Servicesにおける技術公開やフィードバックを極力反映しようという姿勢をみるに、
手前味噌ながら「曹操=実はいいヤツなんじゃないか」とも思う。

となると、各社のある種固定観念化されてしまった価値観も、蒼天航路における諸葛亮孔明の
「幻想の世界の住人の如き雰囲気の常識離れした異才」や、
周瑜の「赤壁時から孫堅・孫策亡き後の孫呉の覇業を一人で支える重荷に心身を蝕まれていく」
という描画も、なんとなくイメージがわいてくるのではないだろうか。

ガンダムの世界観も実は三国志に近い。
単純な勧善懲悪ではなく、ある事実を各陣営の事情を通してシナリオ化すると、
それぞれの正義があり、印象は全く異なる。ジオン公国=悪というイメージでは片付けられない。
ギレンの野望が三国志や信長の野望、大戦略とならぶ戦略ゲームとなっているのはそのためだ。

このブログを含む様々なメッセージに盲目的に傾倒するのではなく、自分の価値観、モノサシで
受け止められるようにしていただきたいものである。世の中を悪い方向へ導く最大の要因は
構成員の思考停止であると考える。冷静さを保ちながら1つの事象を複数の陣営から分析する
思考実験をやりやすくするために、メタファでイメージをふくらませる習慣は役に立つだろう。

ただ、いつの時代にも世の中を扇動するために価値観を単純化する傾向が見られる。
有能な策略家の手腕により、その時点で本来の趣旨が歪められることも少なくない。
続編レッドクリフIIの上映、DVDレンタルビジネスを展開中でありながらあえて早いタイミングで
仕掛けたテレビ地上波公開、そして蒼天航路のアニメ化。
波状攻撃で三国志のモメンタム醸成を仕掛けているのは誰なのだろうか。
三十六計を自在に使いこなす戦略・三国志マニアが裏についているに違いない。

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