Azureの鼓動 最終話:宇宙を駆ける -いわゆる退職ブログ
「イサゴ、MS辞めるってよ」という退職ブログテンプレに沿ったタイトルにしようか迷ったのですが、初志貫徹、グリプス戦役、いや、クラウド戦役に自分なりのケジメをつけるべくZガンダム最終話と同じく「宇宙(そら)を駆ける」として想いを綴らせていただきます。(長いですw)
このタイトルでブログを始めてから、いつか訪れることが予見されていた最終回。ジ・O、キュベレイとの激戦の末グリプス宙域を漂う無人の百式、パイロットのクワトロ・バジーナはどこに...
というわけで、9月末を持ちまして、約8年お世話になりましたマイクロソフトを卒業することになりました。社内外でお世話になりました皆様、ありがとうございました。本来であれば皆様にお会いして直接お伝えすべきところではありますが、ブログを通じた略式なご報告となってしまいますこと、お詫び申し上げます。
1. そもそも、おまえ誰?
2. マイクロソフトでやってきたこと
3. 転職の背景
4. 今後の各種問い合わせ先
5. 次回予告
1. そもそも、おまえ誰?
マイクロソフトでAzureをはじめとする最新テクノロジーの啓蒙活動をしているエバンジェリストです。ここ最近はテクニカルエバンジェリストチームのマネージャーをやっておりました。IT業界内ではガンダムヲタクとして知られており、Z(ゼータ)ガンダム21話のタイトル「ゼータの鼓動」のオマージュで「Azureの鼓動」というブログを書いておりました。最近は多忙を理由に更新も滞っておりまして、この体裁では今回が最終回となります。
スタートアップエコシステムのみなさまにとっては、あらゆるMeetupイベントに派手なジャケットを着て顔を出し、メンターや審査員などを買って出ながら、嫌みのない程度にMicrosoftのスタートアップ支援プログラムをご紹介する係としてお馴染みと思います。大先輩勝屋さんには遠く及びませんが、持てるコネクションや知見を提供することで、関わらせていただいたスタートアップが成長したり、個々人が新しいチャレンジをしてくれたりするのは、立場変わっても変わらぬ人生の喜びです。
マイクロソフトに来る前は、オラクル(ERP導入、新規事業開発)→ローランド・ベルガー(戦略コンサル)→リアルコム(プロダクトマネージャー)で経験を積んできました。人生で2度IPOを経験していますが、それなりに苦労人でして、投資家側に回るほどの財力もなく、たたき込まれた徹底した現場感、顧客目線で愚直にお仕事しております。
マイクロソフトにいる砂金は、Zガンダムの準主役であるクワトロ・バジーナに感情移入しておりました。シャアの偽名であるクワトロには、4番目という意味合いが含まれており、キャスバル・レム・ダイクン→エドワウ・マス→シャア・アズナブル→クワトロ・バジーナと名前を変えながら宇宙世紀を不器用に生きるシャアの姿を自分に重ね、4社目のマイクロソフトでモビルスーツパイロットおよび戦闘隊長を務めさせていただきました。
2. マイクロソフトでやってきたこと
名刺交換の際、セルフブランディングや相手の理解、他のメンバーとの差別化含め、「マイクロソフトの中のオモシロイこと担当」とざっくり紹介することもありましたが、我ながら言い得て妙な表現かと思っています。実際には、テクニカルエバンジェリストなので、実証実験などの先進的な取り組みで、Azureを含むマイクロソフトの最新技術を適用頂き、広く事例として知らしめることが、果たすべき責任なのですが、エバンジェリストを名乗っているプライドとして、マイクロソフトやAzureのファンを作る仕事を一貫してやってきたつもりです。
エバンジェリストという仕事
マイクロソフトに限らず、外資系企業にはJob Descriptionというものがありまして、Technical Evangelism ManagerのLv.XXの人はこういう仕事を実行できること、という細かな定義があり、さらに会計年度ごとに会社の方針にあわせたKPIがアサインされて、さまざまな活動を企画、実行して目標値をクリアするというプロフェッショナルなお仕事です。かっこよくプレゼンするだけが仕事ではありません。
が、その計画立案と実行に際しては比較的裁量権が大きく、結果が出せる(最近はインパクトを出す、というのがマイクロソフト社内の流行です)のであれば、多少奇抜なことでも実施できる環境です。べき論で言うと会社の方針にのっとりKPIを達成するために...という視点からの演繹展開なのですが、それだけだと予定調和な縮小均衡で終わってしまうことも少なくありません。状況によっては、特定技術や対象Audienceへの圧倒的な愛から生まれる活動の方が、効果がある場合もあり、後付けで正当化してきたことも多々ありました。
当初は現場のエバンジェリストとして暴れ回り、ここ約3年はエバンジェリストチームのマネージャーとして活動してきましたが、周辺からのフィードバックではマネージャーになって以降、窮屈そうに仕事していたようで、オトナな対応を意識しすぎていたのかもしれません。ご一緒したチームの皆様にどれだけお役に立てたかはわかりませんが、私としてはそれはそれで、よい経験となりました。
今後、エバンジェリスト的な仕事をどの程度できるかわからないので、セミナーでの講演や執筆、1:1でのお打ち合わせなど、啓蒙活動をする際に私が常に意識していた方法論をこの機会にご紹介しておきます。何か特定の技術やサービスを使って欲しい、という状況があったとして...
まず最初に「楽しいからやってみようよ」(右上)と素直に訴えかけます。直接言葉にして訴えかけてもよいし、そういう雰囲気をつくるということでもよいかもしれません。このノリでいった場合、「確かに楽しそうなんだけど、今の仕事には関係なさそうだなあ」という言い訳じみた心の声が聞こえてくることが多いです。
そういった人たちに「自分ごと化」してもらうために、次に「儲かるからやろう」(右下)というアプローチをしてみます。利益=売上-原価、なので、新しいサービスつくってバンバン売ろう!という話でも、自動化してコストを下げようという話でもよいです。そうすると経営陣の方々は、儲かるならやらない理由はない、という状況に持ち込めます。が、ここでも、「会社が儲かっても俺の給料変わらないし...」という心の声が、現場担当方面から漏れ伝わってきます。
そこで、ほぼ同じことをいっているのですが、ちょっと角度を変えて、「楽ができるからやろう」(左下)という話をします。期日までに納品しないといけない仕事がある状況で、「このテクノロジーを使えば半分の時間でできる、結果、自分がやりたいことをできるゆとりが生まれるよ」と。自分ごとにしてもらえさえすれば、多少小難しい話でも一生懸命理解してくれようとします。
最後に「モテる」(左上)という動機付けで締めくくり。エバンジェリストとして対峙したときの勝敗は、実は満足度調査のスコアではなく、せっかく興味深い話を聞いたので社内報告やコミュニティの勉強会で自分も話してみよう!と思って行動に移してくれる人が何人いるかで決まります。いわゆる、口コミ効果を期待しているのですが、勇気をだして行動してくれた人に対する貢献が、「モテる」というインセンティブなのです。これは異性から「ステキ」と思われることを意味するのではなく、エンジニア同士での「あいつすげーな」と思わせる尊敬の念を抱いてもらえる(かもしれない)ということで、この関係性が成立するように意図してつくられたストーリーは、自律的に拡散し続けます。
壇上から話をしながら、皆さんの様子を見て、今日は4つのうちどのアプローチが一番刺さりそうかを判断しながら、DJのように話のネタを変えて聴衆を魅了すべく、セッションを担当して参りました。正直、センスが要求されるアプローチですが、みなさんが人前でお話しする機会がありましたら、参考にしてみてくださいませ。
Azureの技術啓蒙
今でこそ、ガートナー社のMagic QuadrantでもAWSを猛追するAzure!というところまできておりますが、正直思っていたより長い道のりでした。マイクロソフトは2008年12月入社だったのですが、その直前11月に開催されたPDC(Professional Developers Conference:ほぼ今の//build/)でWindows Azure(途中でMicrosoft Azureに名称変更)が発表されました。入社以降、Azure関連の様々なテクノロジーを担当してきました。ちなみに、最初に担当したのはLive Frameworkというもので、今で言うところのWebRTCのようなテクノロジーでして、リアルタイムにアプリケーションの挙動をSyncするという、いかにも当時チーフアーキテクトを勤めていたレイ・オジーが好きそうな機能に私としても惚れ込んでおりましたがちょっと時代を先取りしすぎたようです。その後、Azureをメインにしつつ、常に新しいテクノロジーを先取りし、普及の足がかりを作る役回りを果たしてきました。直近では、Machine LearningやCognitive Servicesなどで、後続やエコシステムをつくるという観点ではお役に立てたのではないかと思います。
クラウディア、コミケ出展
2次元キャラクターを使ってエンジニアの興味関心を惹きつけ、いつの間にかファンになってもらう、という流れを、クラウドベンダーの中で最初に創り出したのは私です。その後、社長自ら関与したさくらインターネットの桜葉愛、痛車やハイクオリティ短編アニメまで作ったGMOの美雲このは&あんず、ちょっと系統は違いますがIIJの赤ずきんちゃんなどが続き、3D屋のホンキを見せつけられたのはUnity-chanでした(圧巻)。クラウディアさんがどのようにして実現されたのかは、ちょっと古いですがこのあたりの記事「クラウディアたんの爆誕秘話と今後を聞いてきた!!」を見て頂ければと思いますが、手触り感のないパブリッククラウドを効果的に訴求する上で、悪くないアプローチだったと思います。
そうこうしているうちにチャンス到来で、コミケのシステムインフラを運営しているサークルドットエムエスがAzureを利用してくださっていることが判明。お客様との関係性をより深めつつ、関連市場への展開を行う土台作りを名目に予算を確保し、コミケの企業ブースに出展。いわゆるアニメ制作会社でもない一般企業が、コミケに出展する流れを創り出しました。コミケ来場者かつマイクロソフトブース来訪者のうちかなりの比率がITエンジニアであることをアンケート回答データで証明し、多くの潜在的なお客様と深いエンゲージをすることができました。
いわゆる萌えキャラに対しては、社内外から怪訝な目で見られることも多々ありましたが、こちらは戦略コンサルティングファーム経験者、コミケ出展の際は100ページ近い資料を作り上げ、なぜこのアプローチが妥当かつ必要かというロジックを展開し、幾多の壁を突破してきました。思えばこの過程で結構な敵を社内に作ってきたかもしれません。自分たちの都合や価値観ではなく、お客様が望むものを提供し続ける拘りは、今後も大事にしてゆきたいと思います。
JAZUG
私の生きがい、喜びや達成感の定義は、自分が関わったことによりその人の内面や言動に起こった変化の差分を、出会った人全員で積分したときの面積を最大化することで、その観点ではJAZUG(じゃずゆーじー)のみなさんと歩んできた6年間は代えがたい経験です。クラウドの啓蒙におけるコミュニティの必然性は、宿敵であり尊敬すべき先輩である元AWSの小島さんや玉川さんが支援してこられたJAWS-UGの盛り上がりで証明されていると思いますが、Azure陣営もさかのぼること6年前、当時パシフィコ横浜で開催していたTech・Edのサブイベントとして、JAZUG (Japan AZure User Group)のキックオフイベントを、クルーズ船を貸し切った船上パーティーとして開催して以来、インストールマニアックス陣営などとも連携して、地方支部も拡大しながら、Azureのビジネス拡大とともに発展し続けてきました。
その活動の中で、コアメンバーのみなさんだけをみても、マイクロソフトやAzureでのサービス構築を主業務とするパートナー企業への転職、結婚、東京進出など多くの方々の人生の転換期に関わることとなりました。結果、みなさん楽しそうに過ごされている姿を見るに、自分がやってきたことは間違いではなかったのだな、と自分に言い聞かせてはおりますが、多くの方々を振り回してしまったようです。大切な仲間であるJAZUGのみなさまとは、引き続き楽しくお付き合いできればと思います。
Project AZUMAP
Azureの技術啓蒙を進める中、独立愚連隊的な活動をしていた時期があり、「マイクロソフトの砂金といてば...」この頃の印象を強く持たれている方々が社内外に多いようです。現在はマイクロソフト本社レドモンドでグローバルOSS戦略を担当している石坂誠氏とはじめたProject AZUMAP(AZure as a Mobile App Platform: 名前は後付けで割と適当w)というものがあり、スタート時点のブレストで近い将来こんな感じの日経一面を飾ることを目標に掲げ(未だ実現できてないけどテーマによってはちょっと近づいてます)、かなりアグレッシブな動きをしていました。
今以上に、エンタメやWeb/スマホ(当時ガラケー)アプリ分野で存在感が希薄だったAzureというかマイクロソフトを、どうにかCoolにみせつつ、この領域で大きくビジネスを伸ばしてきたAWSに対抗する策をひねり出そうと必死でした。実態としては大手企業とのコラボプロジェクトの機会などを創出して事例化し、急成長市場において早期にポジションをとるべく、50社以上ゲームやスマホアプリを開発する会社をまわってヒアリングを行い、Azureの改善点をまとめあげて本社に報告しながら、当時の構成自由度が低かったAzure上にOSSを中心とした構成を運用含めて強引に作り上げてきました。Azureに限らず近年対応めざましいマイクロソフトのOSS対応において、この課程で得られた知見は大きかったと思います。この活動を行うなかで、その後多くの若手起業家を輩出することになったブレークスルーキャンプや、スタートアップの招待制イベントであるIVS(Infinity Ventures Summit)への参画などを通じて、徐々にスタートアップ支援の比率が高くなってゆきます。
スタートアップ支援
ここ最近は、多くのスタートアップイベントに積極的に参加して、審査員やメンターなどを担当させて頂いております。正直なところ、無限に協賛する予算もないので、自分のカラダと知見を提供することでお役に立てれば、という思いではじめたのですが、だんだん楽しくなってきてしまいまして、直近のお仕事はマイクロソフトとしてではなく、個人として受けるようにしております。
Microsoftのスタートアップ支援としては、BizSparkというクラウドおよび開発ツールの無償利用プログラムをご提供することで、創業間もない時期のコモディティに対する支出を減らすことで成功確率をあげてもらう、という崇高な理念と、AWSに大きく水をあけられたスタートアップ市場でのクラウドシェアを無償提供でもいいから使ってもらって、少しでも取り戻したいという、ちょっとした下心で関与して参りました。
とはいえ、それだけのために投下する自分の時間やリソースが適切だったかといわれると、いささか疑問です。マイクロソフトを退職するにあたって未練があるとしたら、Microsoft Tokyo Acceleratorを立ち上げられなかったことかもしれません。マイクロソフトはスタートアップ支援として実験的にイスラエルTel Avivで取り組んできたアクセラレーターを世界7都市で実施していますが、東京は今のところ含まれていません。理由は、グローバル視点でみたときに、スタートアップエコシステムが未成熟というもので、私の在職中に突破することはできませんでした。私がいたときに実現できたのは、日本からFOVE(ロンドン)、Capy(テルアビブ)、Tvision Insights(シアトル)の3社をアクセラレーションプログラムに参加させられたことくらいで。しかしながら、直近の500 KOBE Pre-Acceleratorの動きなどをみていると、そろそろ日本のポテンシャルが評価されてもよいタイミングではないかと思います。確かに東京の存在感は大きいですが、地方都市も含めたエコシステムを活性化させ、連携することができればと思い、直近、神戸市、沖縄市、福岡市、札幌市などの活動に参画しておりました。誰かが想いを引き継いでくださることを期待します。
マイクロソフトに感謝したいことは山ほどあるのですが、その中でもGTP(Global Talent Program)というマネジメント育成プログラムの一環として、上記Microsoft Acceleratorの6/7をまわって現場体験をする機会をいただけたことは、視野をグローバルに広げたり今後のキャリアを柔軟に考えたりする上で、大きな刺激になりました。いろいろ期待はできるものの、外資系企業の中でキャリアアップするには海外での勤務経験が足りない社員に対して提供しているプログラムで、通常は本社シアトルに3ヶ月常駐し、関係構築してくるパターンが多いです。北京には行けなかったものの、3ヶ月間でバンガロール、テルアビブ、パリ、ロンドン、ベルリン、シアトルを西向きに地球一周して各地のスタートアップエコシステムの現状を肌で感じ、可能な限りの貢献をしてきたつもりですが、今ならもう少しお役に立てそうな自信はあります。
マイクロソフト社員として、というより、日本のスタートアップエコシステムの一員として、どうにか状況を改善できないかという想いでいろいろがんばったつもりではありますが、その貢献として実は大きかったかもしれないのは、現在は東大にてスタートアップ支援を展開している馬田隆明さんを、当時同じチームだったときにスタートアップ担当に抜擢したことだったかもしれません。それまではVisual StudioのプロダクトマネージャーやWindowsストアアプリ(当時)を啓蒙するエバンジェリストだったのですが、圧倒的貪欲な好奇心から短期間のうちに多くの見識を集め、デザインスプリントのワークショップは大好評、今では非常に読み応えのあるスタートアップ向けの示唆をslideshareで公開、東大生だけを対象とせず数々の若手起業家向けの取り組みをされています。他にも、スタートアップ支援活動の中で覚醒したメンバーは多く、大手企業における起業家支援は、啓発活動的な意味合いも大きいのかもしれません。その後、慰留できるかどうかは別の問題ですが。
3. 転職の背景
マイクロソフトが嫌いになったから転職する、というわけではありません。実は当初、社内での部門異動を検討していて、その際にせっかくだから社外の機会も見てみようと思ったときに、ちょうど非常におもしろいチャレンジがいくつかありまして、結果的にその中の一つにいくことにした、という経緯です。マイクロソフトにはかれこれ8年近くおりまして、現在のポジションでやるべきことはやったかな感がもともとあったことは否めません。
タレントマグネット
現CEOの平野拓也さん招集の某ミーティングで、私含む何人かを称して使ったネーミングである「タレントマグネット」という表現が気に入っています。思えば非常に多彩な方々を、マイクロソフトに誘って仲間になってもらってきました。古くはオラクル時代の先輩、同僚である西脇さんや、さとうなおき氏、最近では漫画家兼エバンジェリストのちょまどやJavaエバンジェリストのてらだよしお氏、パクえやデプロイ王子をはじめとするCSAのメンバーなど、多くの人々の採用に関与し、よい環境をつくってきたつもりです。自分以上に特定の分野で圧倒的な能力を持っていて、尊敬できて、一緒に働いてて楽しいな、と思える環境を作ることが素直に楽しかったのと、AWSや競合各社に対抗するには戦力が足りておらずより強力なメンバーを揃えないと勝てないという焦りが原動力になっていたように思います。
転職を具体的に考え始めた段階では「彼らがいればもう大丈夫」という安心感が大きかったです。少しずつ退職の話をしはじめると、「Azureを支えてきた...」「マイクロソフトの顔の...」と大変ありがたい枕詞で驚きのコメントをいただくことが少なくないのですが、私からすれば、Azureにせよ、スタートアップ支援にせよ、もう特定個人の属人的な能力やパッションに依存する段階はとっくに終わっていて、仕組みで回せる状況が徐々にできあがりつつあると同時に、私の代わりによりうまく対応頂けそうな面々が揃っている状況は、卒業していく私としても非常に頼り甲斐がありました。引き続きマイクロソフトおよびAzureの発展に向けてより一層がんばっていただきたいと切に願っております。
4. 今後の各種問い合わせ先
直近いろいろお話ししていた難しいな、と思ったのが、いわゆる業務引き継ぎです。といいますのも、私がやっていた活動は、誰かにアサインされてやってきたことかといわれれば、そうでないものも多く、そのパッションは私個人に依存しています。もちろん、下記問い合わせ先にご連絡頂ければマイクロソフトの誰かが対応することはできますが、「誰に相談したらよいのかわからないのでとりあえず砂金さんに...」というご相談対応は正直難しいです。この手の話は、間口を広く保ち、背景や本質を適切に理解し、相談しやすい状況を作り上げ、事業との関連性抽出、担当してもらうことの正当化を整理した上で社内調整を図る必要があり、誰もが器用に対応できるというものでもありません。当座、困るようでしたら引き続き私宛でご相談頂いてももちろんOKです。9月末まではマイクロソフト社員として在籍しておりますので、できる限りの対応をさせていただきたいと思います。10月以降は社外からの打診になるため多少難しくなるとは思いますが、これまでの知見を活かして、マイクロソフト社内で適切な方におつなぎできるのではないかと思います。
スタートアップ関連:増渕、久手堅、榎本
Azure関連:畠山
技術イベント対応:井上章、金尾
5. 次回予告
ガンダムの世界観における宇宙世紀の史実通りに進んでしまうと、地球の重力に魂を引かれた人々に絶望したクワトロ・バジーナは、シャア・アズナブルとしてネオジオン総帥となり、自らも赤いニュータイプ専用モビルスーツサザビーを駆り、アクシズ(隕石)落としを敢行する(一般の方向け解説:マイクロソフトでAzureの啓蒙活動を推進してきた@shin135はクラウド時代になっても従来型ITビジネスの変わらぬ慣性に絶望し、別のクラウドベンダーに移籍して多重下請け構造ごとIT業界をぶち壊し、適切な形で再生する)ということになるifもあったかもしれないのですが、これまで関わってきた方々の愛や共感もあって、別の結末を迎えることになりそうです。10月からはサイコフレームを緑色に光らせながら、新しい業務に邁進したいと思います。AIやbotなどで連携できそうな方がいらっしゃいましたら、個別ご連絡くださいませ。マイクロソフトでのお仕事は9月30日まで。土日はさんで10月3日より稼働しますので、改めて所属や意気込みなど、宣言させて頂きます。
下の写真は、同僚高橋忍さんから退職の記念の品としていただいた万年筆。万年筆だけでなくガンプラフリークでもある忍さんの拘りで、ジオンロゴ、名前入り、心遣いが泣けてきます!思いのこもったこの万年筆で重要な書類にサインする場面が早くまわってくるよう、次の仕事でもがんばる所存です。
「Azureの鼓動」これにて一旦終了です。
君は、刻の涙を見る。
大変お世話になりました。
みなさまの益々のご発展、ご健勝をお祈りしております。
「聞いてない!」「次どこ行くの?」「飲みに行こうぜ!」など、何かございましたら、ご存じのコンタクト宛でご連絡ください。
@shin135