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情報格差などがもたらす情報社会の問題について考える

情報格差の解消方法(2)

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今回は、情報格差の解消方法(1) の続きで、情報格差の原因である以下の5点のうち、2について述べたい。

  1. 組織・人脈のつながりの強弱
  2. 地理的な遠近
  3. メディアの特性の差異
  4. メディアリテラシーの差異
  5. 情報リテラシーの差異

まず、2の地理的な遠近について、具体的な考察を進めてみたい。情報伝播には、以下の2つの種類がある。

  1. 実生活の人間関係の上でのバイラル(口コミ)を通したもの
  2. TVやネットなどのメディアを介したもの

前者は、リアルの世界での情報伝播。後者は、バーチャルの世界での情報伝播。このうち、地理的な遠近は、前者と関係がある。このため、地理的に遠い場合、情報伝播が遅れる場合がある。政治やビジネスの中心は東京であるため、何らかの新しい情報が生まれた場合、まず、東京や関東近辺に情報が伝わる。それから何日かして、地方に情報が伝わる。このため、情報格差が生じる場合がある。後者のメディアによる情報伝播はリアルタイムであるが、すべての情報がこの仕組みに則って伝播する訳ではない。特に、信頼性の高い密度の濃い情報は、前者の人づての場合が多い。

このような情報格差を解消するためには、地域ごとに情報伝播を行う中継者をおく必要がある。例えば、政治であれば地方の行政長、ビジネスであればエバンジェリストなどをきちんと準備しておくなど、情報を極力タイムラグを作らないで伝播するための仕組みづくりが必要である。

もう一つは、情報を一元的に管理する仕組みを作ることである。いい例が、2009年に発足した消費者庁である。消費者に対する情報を一カ所に集めて、必要な情報を発信する仕組みは、メーカーと消費者の間にある情報の非対称性を解消するための良い取り組みであると思う。

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