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【顧客が負担するランニングコスト2億円を5%削減しながら、毎年20%マージンを取るスキームを考えた】-ノンフィクション物語その②-

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コンニチワ。鈴与シンワート株式会社の正林です。

前回投稿ブログ。

【顧客が負担するランニングコスト2億円を5%削減しながら、毎年20%マージンを取るスキームを考えた】-ノンフィクション物語-

これ以外と好評でしたので続編を。ほほーう、続き物にして投稿回数を稼ぐきだな?ってそいつはNO!そんなことはありませぬ。
これ中途半端にはしょると訳が分からないし、誤解も生むし、誤字脱字にも気をつけなければならぬ。よって然るに表現は丁寧にかつ時間をかける、すなわち複数回に分ける。ってことになってしまうのである。

しかし脱線するが自分のブログは誤字脱字だらけである。いちいち修正できないほどの数を見つけている。「バカに見えるわヨン」と云われた自分。バカであることは否定しないが、文章や言葉を表現するにあたっての品質は、カンケーネーと云いながらもある程度保たなければならないことは判っている。
むむむ。いつか、いつか必ずまとめてやります。って絶対やらないパターンの意気込み。

-閑話休題-

で、前回の続き。前回はボツ企画をベースにプランの考え方をご紹介したわけです。
で幸いにも、日本の流通界を代表する企業様より「乗った」という話をいただきました。ってなところが前回まで。

■本文■

で実際には、人件費に固定費、売上、原価、営業利益、販管費など主にPLベースの事業計画を5年間分シミュレーションして、協力者の方々にご説明するためのプレゼン資料なども作成し、なんてやった訳です。マツタケウメなんてパターン作って
そして私が幸運でもあり、踏み切れなかった理由のひとつが、「日本の流通界を代表する企業様」が1stユーザーとして名乗りをあげて
頂けたこと。これ前回も述べさせていただいたところですが、このあたりが今日の主たる内容。

で、下記の前回ボツ企画をアレンジ。やはり第3、第4のプレイヤーを巻き込むフレームがポイントの(金融機関ではないですが)新プラン。

Playerno3_0319

そしてお知り合いの弁護士の先生に協力いただきながら、スキームの合法性を担保しつつ、第3のプレイヤーたる会社様との協業の交渉。何も持たない自分が紹介とはいえ「これやりませんか?」ってさすがに説得、交渉には尋常でないパワーを要しました。舐められましたし、まあ当たり前ですが。でハードな交渉を仕事のオフタイムにしつつ最終的には1stユーザーとなる企業様の名前もあり概ねスキームの合意にいたったのでした。

で、次なる難関。関係各位より「チミのことは個人的には信用してるけど、会社的にも社会的にも信用が無い。よってスポンサーを見つけて資本金3千マン円くらいの会社としてくれたまへ」といわれたのでした。

うわぁわわわ。

自分は貯金と当面の運転資金で百マン円台前半の資本金規模で立ち上げるつもりが、こりゃ自前じゃ無理。不可能。って資金集めに奔走。
これがまたハード。何の担保もない自分にそんな大金誰も貸してくれねー。創業者融資だってそんなに貸してくれねー。でまた紹介紹介紹介で、たどってたどって。最初に大口スポンサーがつきました。簡単に書いてるけどすごい大変でした。
でもまだ足りぬって、自分は走り回って、結局その最初の大口スポンサーの資金を担保にして基本合意まで取り付けたのが45百マン円
集まりすぎ。そして何よりレバレッジ利かせ過ぎ
全てを資本金とはしない計画だったものの、これじゃぁ自分は10%程度を取得するただの大株主なだけじゃん、ってなことになったのです。
もうすげーリスク背負うことになるんだねー、でもここまできて走り出すしかねー!って。

で、会社への退職宣言。宣言したのは夜、そしてその翌朝8時から現在の自分のボス、すなわち事業系のトップ役員から携帯なりまくり。

「お前ぇ、聞いたぞこらぁ!今日の夜空いてんだろうな、おらぁ」と恫喝めいた電話。
「わっかりましたー」って自分。

でその晩に話をしたわけですが「残れるような形を調整するからしばし待て」とのお言葉をいただくも自分は生意気、傲岸不遜にも「しばしと云われましても自分は、既に色んな方と話をつけているわけでして、そんなに待てませぬ」

と言い放ったのでした。いやー、今思い返してもチョーシこいてました。反省。冷や汗。
でも、ボスは「分かった」といって、翌日の昼には強引な調整したと想像する案をもってきてくれたのでした。翌日!?夜話してその晩から午前中にかけての間で!?とそのスピード感に本気な気合を感じたのでした。

で振り返って自分がこれからやろうとしていることは「本当に自分がオーナーである事業であるのか?」と。

・3ヵ月後には、合流組が来る手筈となっている。生活を人生を守ってやらねばならねー。
・10%程度の大株主では事業がうまくいっても、こけても自分にハンドリングできなくなる。
・はじめの一歩としては、規模がでか過ぎる。経営の経験に乏しい自分に老練な協力者の皆さまと渡り合うだけのスキルも無い。
・レバレッジ効かせ過ぎてびびる、自分。

そう、身の丈にあったスタートを切りたかった自分としては、最初の取り組みとしては明らかにオーバースペック。これは話が進むほどに感じていた違和感。
で、今の会社。自分は感じ入ったのです。

・当社の中で当時一番若い、末端の課長にここまでしてくれるかぁ?って・普通当然そこまでしません。その重みを、感謝を。
・自分の想いを貫いたら、経営に近いところで仕事をしながら経験をつませていただけることを判断できる会社であったと。
・自分の裁量で、事業をプランを実行したいってのが動機であったわけで、別に自分は今の会社は嫌いではなかったという事実を。
・なりふり構わずここまで、調整してくれたボスの心意気を。

結局、色んなことを鑑みて現職へ残留を決定したのであります。※その間当然色々なことがありましたが。。
詰まるところの理由は、繰り返しになるかもしれませんが。

・スタートにしては身の丈に合わない規模にまで一気に事業拡大してしまい、オーナーシップが取れないと感じたこと。
・現在の会社や働くメンバーへの愛着とボスの想いを感じたこと

この2点に尽きると。

で、当然ながらこれからがまた大変、きつい、タフなお詫び行脚。当時、ご協力の意思をいただいた皆様には今も心苦しいのは正直なところ。これは本当に自分もつらかったですし、自分には決して言いませんが顔をつぶした形になった方もいたに違いなかったのです。
幸いなことに、人間関係としては皆さま変わらずお付き合いいただいており、本当にありがたく思っているでした。

ただ、もう一回起業しまーす!って云っても数年は無理ですよね?「そりゃそうだ」とガチで云われたのでした。そりゃそうです。当たりまえ。

なので、自分は度々ブログ内でも「ひとり部門」とのたまっている訳ですが、これ自分をおいて置くために作っていただいた部門。だからひとり。
これだけ、大騒ぎしたワケなのでこれ、絶対に結果を出さなければならぬ。だらだらしていたらボスの顔を潰すことになる。と気合入りまくり、覚悟が違うぜ覚悟が、競合の方々よ。って今に至るのであります。

そして当時、吐き気を催すほどにきつかったことを思いをして身を引き締めるわけなのです。

ということで、色々思い出して疲れきってしまったので終稿・脱稿です。

<了>

-正林 俊介-



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