Facebookの無断「心理実験」は批判に値するの? -例えば「IoT時代」の個人の行動追跡と比較してみる-
Facebook社が「ユーザーに無断で心理テストを行っていた」として批判されているという。
→フェイスブックの身勝手な「心理実験」(ニューズウィーク日本版)
記事によれば
明るい投稿を増やすとユーザーの投稿も明るく、暗い投稿を増やすと暗くなる──フェイスブックが米コーネル大学らと12年にユーザーに無断で行っていた心理実験が最近になって報じられ、物議を醸している。COO(最高執行責任者)のシェリル・サンドバーグは先週、ユーザーに対して謝罪した。
とのこと。実験の結果、「明るい」「暗い」を問わず多く目にしたフィードの行動に影響を与えたとようだ。
僕の個人的な感覚だと「いーんじゃないの?これくらい」ってな思いがするんだけど。
そもそも、Facebookの表示フィードは独自のアルゴリズムで表示するものが制御されている。「友達」の投稿が順番に羅列されるものでも無いから、どの投稿がフィード表示されなかったからって、どうこう言うものでも無いし。
投稿順にフィード表示されるTwitterなんかとは別物なのである。
だから、手作業であろうがプログラムを使おうが、同社には広告主であるスポンサーに最適なサービスを提供するための作業は行われて当たり前。だから、色んな仮説を立てて実験的な行動分析もするし、それを仕様に組み込んでいくだろう。
そのプロセスが公開されただけまだマシじゃないのかなぁ。
だって既に「IoT(Internet of Things)」と言われる、様々なデバイス、すなわちスマホだのカーナビだの時計だので、僕らの行動は追跡されて、その他の付加情報、例えばインターネットの閲覧履歴とか店舗・WEBを問わず購買履歴なんかを加えて蓄積集約されているんだから。
ビッグデータ時代なんでしょう?その情報を元に個人の嗜好、志向をもとに興味あるだろうコンテンツやら、次の購買行動やらへ誘導されていくのは必定、当然の原則。
今回のニュースの中で、Facebook社の行った一つ一つの細かい行動や行為、対応をみていけば問題のある事も存在するかも知れない。けれど概ねもう、しょうがない、というか必然の事象なんじゃないかなぁ。
あえて気に障る点を挙げるとしたら、ニューズウェーク誌が掲載した同社COOサンドバーグ氏の、ドヤ顔くらいかな。僕にとってみたら。
けれど、これにしたってメディアの恣意を感じるし、無断心理実験と同じようなものじゃないの?
(正林 俊介)