ソフトウエア・ビジネスはもう終わりなのか?
海外のカンファレンスでコンピュータ市場がハードウエア->ソフトウエア->コンテンツっと変わって来ているとの発表があった。実際には完全にハードウエアやソフトウエアの市場がなくなるっと言う意味ではないが、利益率が高いのはGoogleのようなコンテンツ関係の会社に移ってきていることである。
昔、メインフレームの利益率の方がパソコンよりもよかったので、会社としてはメインフレームの販売に力を入れていた。パソコンでできることはまだ機能的にも限定的でしたし、故障も多かった。しかし、一般市場というものは、安い方に流れる傾向が強い。「Innovator's Dilemna」にも書かれているようにこれがパラダイムシフトで失敗する大きな理由だ。インターネットもパソコン通信よりも不安定である、信頼性も悪かった。しかし、最終的にはパソコンとインターネットが普及した。
今のソフトウエア市場も、高い商用製品から安いソフトウエアに変わって来ている。商用として販売されているソフトウエアに比べするとまだ品質などが悪い。しかしこれを解決するのはただの時間の問題である。利益率がよいからっって商用ソフトウエアの開発/販売を続けていたら、時代に遅れることになる。
しかし、面白いのは、利益率が高いのは、パソコンのハードウエアを製造/販売した会社ではなくソフトウエア会社であった。安いハードウエアのお陰で、ソフトウエア産業が発展した。同じように、安いソフトウエアはコンテンツ産業の発展のために不可欠である。
既に、日本はコンピュータのハードウエアで失敗したためにソフトウエア産業が発展しなかった。再びソフトウエアで失敗するとこんどはコンテンツ市場の参入に遅れることになる。そのためにも、今はオープンソースに力を入れる必要があると思う。
ハードウエア製造のビジネス市場が日本でなくなったように、ソフトウエア開発のビジネス市場もなくなっていく。
安いオープンソースソフトウエアをもっと日本で利用して、品質を上げて、次のコンテンツ産業を作りだすことが今の日本のコンピュータ業界の課題だと思う。