間違った差別化
朝日新聞の記事を読んで、まだ日本でパソコンを製造していたときのことを思いだしてしまった。新聞の記事は水のペットボトルのキャップが不足している問題を取り上げている。記事によると不足している原因は、各社がキャップの大きさや形を変えて差別化を図っているらしい。
http://www.asahi.com/business/update/0326/TKY201103260286.html
以前、日本のパソコンも各社で微妙に異なっていた。MS DOSやその後のMS Windowsでも各社の版があった。それだけではなく、電源ケーブルも異なっていて、他社のケーブルは使えなかった。その理由も差別化のためだった。
もう分かっているように日本の大手はパソコンから撤退した。台湾/中国製のパソコンの方が安かったからだ。ユーザにとって、電源ケーブルなどが違っていても何の利点がない。多くの利用車は、作業をもっと便利に行えるようにや、エンターテイメントなどでパソコンを使う。電源ケーブルが違っているのは差別化っと言うよりもただ不便なだけである。特にそのために高くなっていると思えばもっとマイナスイメージである。
最終的にこのような「間違った差別化」を行ってこれをビジネス戦略だと思いこんでいたのが致命的だったのだと思う。昔のように国内だけでの競争であれば、他社も同じような「差別化」を行っているので、そんなに問題は無かったかもしれませんが、海外の会社が入って着たら、競争にならなくなった。
もうこのような習慣はハードの製造からはなくなっていると思っていたら、ペットボトルのキャップでまだ残っていたとは。。。
東電の仕組みを見ていると分かるように、サービス業ではこのような差別化がまだ日本に根強く残っている。ユーザが目的を達成するのに必要なことで差別化するよりも、関係無いことで差別化している。例えば、帳票の役割は情報を他人に知らせるたまだ。よく理解できるように情報を表現することで差別化を図るのはよいと思う。しかし、罫線の種類の数などで差別化するのはなんか違うと思う。特にその機能をサポートするために、価格が桁違いで、開発時間も長くなっているのでは、実際には競争力が低下していると思う。
例えば、簡単な帳票であれば、iReportを使えば半日から1日で作成できる。無償のオープンソース版を使えば、帳票作成作業だけなので、5千円/1帳票から作成できる。画面から直接印刷するのであれば、別にプログラムを作成する必要もない。標準でデータベース、Excelファイルからのファイルにも接続できるので、設定だけで済む。
なお、iReportで設計した帳票をLiferayのようなポータルで公開することもできる。Liferayも無償版があるので、ソフトウエア費は0円である。一回このシステムを立ち上げたら、データベースやExcelにデータを挿入/保存するとユーザはその情報をリアルタイムで見ることができる。
残念ながら、東電からの計画停電の表情を見ると、人が書いた文書をPDF化したものや、人がTwitterに投稿した情報が目に付く。作成するのにも時間が掛かっているそうだ。人が作成されている報告書は綺麗で、Twitterのメッセージはよい文書で書かれている。しかし、これに毎回時間をお金を掛けているのだと思うとなんだか腹が立つのは私だけでしょうか?