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会社がなすべき当たり前のこと、人がなすべき当たり前のことでありながら、多くの人ができていないことを、いかに行うかを考えるきっかけになればと思います。高杉晋作の辞世の句でもある「おもしろき こともなき世を おもしろく」をブログ名に、日々普通に起こっている会社や社会での出来事を、いかに考え対応すべきかという視点で書いていきたいと思います。

自分を生きやすくする"原理原則構築法"

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【原理原則とは】

ここで言う原理原則とは、
自分の中のモットー、信念、ルール、法律といった感じのものです。
これだけは曲げられない!という自らに課したルールです。

例えば、、稲盛和夫氏が提唱する
「人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力」
というものを信じているとします。
これは人生や仕事の結果は、個々の人の考え方と熱意、能力の掛け算であり、
考え方はプラスにもマイナスにもなるため、
考え方がマイナスなら能力があればあるほど
マイナス方向に結果がでてしまうというものです。
すると、自分の「考え方」がものすごく重要になり、
常に何かが起こるとその「考え方」が正しいかどうかを考えるようになります。

稲盛さん繋がりで例を続ければ、
「利益最大化=売上最大×コスト最小」
というものがあります。
これを頭に入れておけば、
仕事において結構難しいケースにぶちあたっても、
ここに戻って、答えをだすことも可能になります。
仕事は不正解というものがほとんどなく、
よりベターなものを選んでいくことになります。
そのために、このような原理原則を持っていると、解答が出しやすくなります。

すごく小さい原理原則も有効です。
稲盛さんのことばかりなので、最後までこれで通してしまいますが、
稲盛和夫さんの本で「実学」という素晴らしい本があります。
そこに「一対一の対応」の原則というものがあります。
商品を納品したら一つの伝票を出すといった簡単な原則なのですが、
これも原則としておかなければ、小さなミスを連発し、混乱のもととなります。
こういう基本的な原理原則も自分の原理原則に入れておくことは有効です。


【原理原則構築法】

自分の中に原理原則をどうやって構築するかですが、
これは様々な方法が考えられます。
オーソドックスな方法だけ紹介します。

・読書
マンガでも書籍でも構いません。
「んっ?」と気になったもの、気に入ったものを
どんどん自分の中に取り込んでいくといいと思います。
例にあげた稲盛さんや松下幸之助さんなど有名な企業家の方や、
歴史小説の主人公、マンガの主人公からでも何でもいいのです。
私の場合、マンガもよく読みますので、
結構、マンガから私の原理原則に入っているケースがあります。
例えば、「エンゼルバンク」というマンガがあります。
その中に、自分の所属する会社のことを
「うちの会社」というか「この会社」というかで
当事者意識の違いがわかるという内容がありました。
確かに、検証すると理解できる話で、
お気に入りとして私の原理原則に入りました。
このようにマンガも馬鹿にできません。

・尊敬する人
坂本龍馬や徳川家康、織田信長や伊藤博文などなど、
歴史上の人物でもかまいません。
彼らの行動や言ったことなどを心に留めておくのです。
難問にぶちあたったときに、彼らならどうするだろうか?と考えるのです。
そうすれば、答えは結構簡単にでてきます。
私は、古代中国の歴史小説を多く手がける宮城谷昌光さんの小説が好きで、
なかに「孟嘗君」という小説があります。
そこで出てくる主人公は当然、孟嘗君なのですが、
前半は白圭という中国で伝説の商人となる人が主人公です。
彼が、
「人を助ければ自分が助かる」
という言葉を発します。
これだけ読むと自分が助かるために人を助けるように
誤解してしまうかもしれませんが、決してそういうことではなく、
結果として自分が助かるということにすぎません。
この言葉を私はすごく大事に原理原則に入れています。
そして、白圭ならこういうときどうするのか?ということも考えたりもします。

このようにして、自分の中に原理原則をどんどん入れていきます。
以前は原理原則だっったけど、違うな!と思うようなものは、入れ替えていきます。
そして本当に骨格となる原理原則だけが、自分の中に構築されていくはずです。


【原理原則の利用法】

これまでいくつかの例で書いてきましたが、
原理原則が本当に自分の中で構築されれば、
仕事や人生の中で大きな問題、小さな問題にあたったときに、
この原理原則に則せば答えをすぐに導けます。
自分の中の当然のこととして消化してしまうことが重要です。

これは、これを原理原則とし、一切曲げないということとは違います。
もし、これは違うなということがあれば、
受け入れるだけの器量も持ち合わせる必要はあります。
この原理原則を持っていれば、
日々の仕事や生活で悩むことはかなり減るはずです。


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