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会社がなすべき当たり前のこと、人がなすべき当たり前のことでありながら、多くの人ができていないことを、いかに行うかを考えるきっかけになればと思います。高杉晋作の辞世の句でもある「おもしろき こともなき世を おもしろく」をブログ名に、日々普通に起こっている会社や社会での出来事を、いかに考え対応すべきかという視点で書いていきたいと思います。

視点が低い残念な人の事例 プロジェクトですべての遅れの原因を作ってしまった担当者Sの場合 ~視点の研究4~

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あるプロジェクトを進めていたときの話。
何のためのプロジェクトかというと、当然売上をあげるため。
そのために、プロジェクト用のホームページを作成したり、
パートナーと打ち合わせしたり、DM用チラシを作ったり、
などなど、やることは多かった。
そうした中、プロジェクトメンバーにそれぞれの役割を決め、
定期的にミーティングを行い、進めていった。

しかし、あるミーティングのとき、
メンバーのひとりの担当者Sが、
ホームページ作成について細部も細部、
ものすごい細部に凝りすぎて、時間を使い、
プロジェクト全体の進行が遅れだした。

本人曰く、
「これはすごく大事なところで、疎かにはできません」
という。私は、これを受けて、
「全体戦略の中でその部分がもし抜け落ちたとしても、
 特に何の影響もないのだけどね。
 早くホームページを完成してもらえないかな?
 ホームページが完成しないと何も進まないんだよ」
と言うと、散々その重要性を述べ立てたが、
不承不承納得をしてもらった。

こういうケースは本当によくあることだ。
企業は組織である以上、
それぞれの部門や個人に仕事が割り振られている。
だから、その人自身にとれば、割り振られた仕事がすべてとなる。
しかし、会社もプロジェクトも全体戦略の中、進んでいる。
一つ躓けば、すべてが止まるということもある。
上記のケースは、そのほんの一例だ。
細部にこだわり、全体が見えない好例と言える。

担当者Sはどう考えるべきだったのか?

・プロジェクトが何を目的としているかを明確にし、理解する。
・全体のプロジェクトの中の、どの部分を自分が担当しているかを理解する。
・全体のスケジュールの中で、どこまでに自分の担当部分を完成しなければならないかを理解する。
・プロジェクト全体で自分の担当している部分が遅れることがどういった影響を及ぼすかを常に意識する。

ということを考えながら進めるべきであった。
ちなみに担当者Sは、区切りがついた段階でプロジェクトから外されることとなった。。。
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