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会社がなすべき当たり前のこと、人がなすべき当たり前のことでありながら、多くの人ができていないことを、いかに行うかを考えるきっかけになればと思います。高杉晋作の辞世の句でもある「おもしろき こともなき世を おもしろく」をブログ名に、日々普通に起こっている会社や社会での出来事を、いかに考え対応すべきかという視点で書いていきたいと思います。

視点が低い残念な人の事例 会議に出られなくなった上司Aの場合 ~視点の研究2~

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視点が低い人は例えば、どんな残念なことがあるか?
経験談からいくつか述べたい。


ある会社のコンサルティングをしているときの話だ。
その会社はかなりの資金難で、様々なコスト削減を行なっており、
最後の最後に社員の給料も数%削減していた。
当然、それが続くと社員からの不平不満の声も大きくなってきて、
その声は直属の上司Aにぶつけられていた。

ある日の取締役会議にて、
いつもの如く、資金をどう捻出するのか、どう売上をあげるのかということについて議論されている会議で、
その上司Aは、
「社員のモチベーションが下がっているので、給料をあげてあげたいのですが、いいですか?」
と話した。会議の空気は一瞬にして凍りつき、誰も声をあげることはなかった。
私はその場で、もしあるのならば、すぐに脱出ボタンを押したくなったほどだ。
私の横にいた社長の顔は、怒りの顔から、あきらめ顔になり、
二度とその上司Aは会議に呼ばれることはなくなった。

上司Aはどう考えるべきだったのか?
上司Aが言っていることは必ずしも間違いではない。
が、結果として会議に呼ばれなくなってしまった。
会社が存続するかどうかという話しをしているときに、
給料アップの話など、普通に考えて通るはずがない。
それでも敢えて言うのであれば、

・給料ダウンにより社員のモチベーションがさがり、社員の維持が難しくなっている。
・このままでは退職者も増えて、事業事態の存続も危うい。
・コスト削減もしくは売上アップをどの程度行えば、社員の給料を本来の給料にもどせるのかを計算
・給料を戻すための代替案として、どこから資金を捻出するかを検討
・資金捻出した場合には給料を戻す可能性があるかどうかを会議で尋ねる。

といったことを考えて、話すべきであった。


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