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会社がなすべき当たり前のこと、人がなすべき当たり前のことでありながら、多くの人ができていないことを、いかに行うかを考えるきっかけになればと思います。高杉晋作の辞世の句でもある「おもしろき こともなき世を おもしろく」をブログ名に、日々普通に起こっている会社や社会での出来事を、いかに考え対応すべきかという視点で書いていきたいと思います。

供託金廃止が政治の劣化を防ぐ第一歩!

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政治劣化が叫ばれている。
いや、すでに久しいのかもしれない。

私個人の感覚からいくと、
ニューリーダーと言われた竹下、宮沢総理より以降の世代は
かなり劣化が激しいのではないかと思う。
細川内閣以降、自民党の一党支配が終止符をうったことも関係があるのかもしれない。
良し悪しは別にしても、成果らしい成果を残したのも、
小泉首相と橋本首相ぐらいではないか?

政治の世界に風穴をあけなければ、
日本の閉塞感は破れない。
まず重要なのは選挙である。
選挙制度そのものにも様々なことが考えられるが、
その手前の『供託金』という制度について考えてみたい。

『供託金」という制度は、ウィキペディアによると、そもそも
「公職選挙において、売名や選挙妨害を目的とした立候補の乱立を抑制」するために
設けられた制度でイギリスが発祥の地らしい。
現在、立候補者が選挙に出るためには、『供託金』を収めて、
もし、一定の投票が得られなければ没収されてしまう。
また『供託金』額はそれぞれの選挙で決められており、
衆議院議員や参議院議員の小選挙区であれば300万円、
比例代表であれば600万円を収めなければならない。
地方における選挙も額は小さくなるが、この制度はあり、
町村議会議員だけは『供託金』は収めなくてもよい。
ちなみに、この制度の発祥の地であるイギリスでは9万円でよい。
アメリカでは一定数以上の署名を供託金代わりにしているようだ。
日本だけが突出して高いようである。
穿った見方をすれば、新しい人材がでないように、
既存政治家がその金額を上げているのではないかとも思えてしまう。

また、この制度は憲法第44条違反という解釈もある。
財産の多寡により議員及び選挙人の資格を差別しているという解釈だ。

この『供託金』制度が、新しい有為な人材が出れないハードルの一つに成り得る。

そもそも、「候補者の乱立の抑制」という目的であるが、
乱立して悪いことはあるのかという問題がある。
過去には売名行為や選挙運動用のはがきを他の候補者に流すなどということがあったようだ。
『供託金』制度を廃止すれば同じことが起こりうるだろう。
しかし、落ちた候補が売名行為をしたところでそれほど問題があるのか?
はがきなどの横流しや選挙公報による特定商品の宣伝なども本質の問題ではないのではないか?
候補者が乱立することが、優秀な人材が政治の世界に入ることを制限するということよりも、重要だろうか?

有為の人材が立候補しやすくする環境を整えた方がよほどメリットがある。
1.『供託金』制度は廃止したうえで、上記行為などがあった場合には公民権の永久停止、高額罰金など罰則を強化。
2. 候補者乱立に備え、有権者が選択しやすいように選挙公報の整備を行う。
3.インターネットの活用など、お金がかからない選挙を徹底的に整備。

まず、入り口である『供託金』制度の廃止により、政治の劣化を防ぐ第一歩としたい。


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