オルタナティブ・ブログ > パースペクティブ・アイ >

IT/PCを中心に様々な話題を振り返ることで未来を考える

3G iPhone発表間近に思うこと

»

 すでに松尾さんところをはじめ、オルタナティブブログのいろいろなところで日本版iPhoneの話題が取り上げられています。インターネット上の様々なブログを見ても、肯定派、否定派ともにとても意見交換が活発で、これだけでもアップルにとっては相当に"オイシイ宣伝効果"を得ているんだろうなぁ、などと眺めていました。
 私自身はソフトバンクからの発売という確信を持って、先週コラムを書いたんですが、その確信の理由はさておき、日本語版iPhoneを語るときに大きく忘れ去れれていることがあるように思います。
 過去のスティーブ・ジョブズ氏の基調講演を振り返ると分かりますが、ジョブズ氏はハードウェア、ソフトウェアともに、複数の視点で"大きく進歩した製品"しかトップでフィーチャーしていません。WWDC初日にジョブズ氏が3G iPhoneをフィーチャーするのであれば、単に3Gネットワーク対応になりましたよ、というだけではなく、今のiPhoneよりも様々な面で進化していると考えるのが妥当じゃないでしょうか。ではどんな変化があるのか?こればかりは私も詳しい情報を持っているわけではありません。
 ただ、いろいろと推論を重ねることはできます。まぁ、来週には明らかになるんですから、いろいろと面白おかしく予想してみるのも楽しいもんです。
 昨年のiPod touch発売の頃を思い出してみましょう。
 当初、アップルはiPod touchはiPhoneとは違う。あくまでも音楽プレーヤであると言って、PIMデータの入力機能も実装していませんでした。ソフトウェアの基盤は共通なのですから、実装が間に合わなかったのではなく、ワザと入れなかったと考えるのが妥当です。ハードウェアの一部やOSといった基盤は共用するけれど、用途が違うので別製品というわけです。
 しかし、その後のアップデートでiPod touchはiPhone相当の柔軟性を備えるようになりました。iPhoneと共通のアプリを開発するためのSDKも用意され、次期ソフトウェアプラットフォームではApp Storeからアプリケーションをインストール可能になります。
 "iPod touchユーザーの声に耳を傾けた"とか、"Jailbreakが広まって意味がなくなった"というのも、iPod touchの位置付け変更の理由ではあるのでしょうが、3G世代においてiPod touchとは異なる価値を提供できる目処があるからこそ、当初のiPod touchの位置付けをあっさり変えたんじゃないかなぁ、というのがボンヤリとした私の推測です。
 だって、「iPod touchに電話が付いただけじゃないの?」という、とっても素朴な疑問は、アップル自身が一番よくわかっているハズです。だから、3G iPhoneは初代iPhoneと見た目は似ているでしょうが(だって、あれはそんなに変化させられるもんじゃないですからね)、その上で走るソフトウェアは既存ユーザーからのフィードバックをもとに大幅に進歩しているんじゃないかな?と思っています。
 また、噂通りに.Macのサービス強化が図られ、マルチプラットフォーム化が進むのであれば、Winodwsも絡めて様々な情報を共有。その窓口としてiPhoneがフロントエンドとなる形になるんじゃないかなぁ。iPhoneの場合、その魅力の大半はソフトウェアとネットワークサービスによって実現されているので、アイディア次第で様々な進化の方向があるでしょう。きっと、我々を驚かす何かを用意していると思いますよ。

 もっとも、僕自身は使うかどうか、とっても微妙なところ。最近、東京近郊の日帰り出張が増えているので、Suicaの新幹線対応から離れられそうにないんです。単にSuicaを使うだけならば、Suicaが入るカードケース付きのiPhoneプロテクタなんてのが発売されれば、普通のSuicaを入れときゃいい(もちろん、チャージは券売機を使わないといけないけど)んだけどね。Edy、QuickPay、iDと、ズッポリとおサイフケータイにはまっている身としては、なかなかそことの決別は難しいなぁ。

Comment(0)