新刊「これからスマートフォンが起こすこと。」の案内と、それに対する各業界の反応
新刊「これからスマートフォンが起こすこと。」を発売するにあたって、名刺交換をした方々に案内をメールで出させていただきました。発売は5月20日ですが、すでにアマゾンには登録されています。
内容は、スマートフォンが携帯電話だけではなく、パソコン、コンテンツ流通、コミュニケーション、ゲームなど、あらゆるビジネスの形を変え、新たなルールの中でスマートネイティブと言える新しい世代が、更に大きな変化をもたらすという話です。
すると、このタイトルに反応していただいたのか、なんとお返事を150通も頂きました。
新記録です。また、まだ5月20日発売なのに、登録初日に総合106位まで上がってきました。ありがとうございます。
それだけスマートフォンの世の中に対する影響が大きいということなのでしょう。僕は色々な業界と仕事をしているので、各業界ごとに反応が異なりますが、業界は異なっても反応の”大きさ”は同じぐらいに大きいと感じました。
たとえば……
●パソコン業界
「今のパソコンのポテンシャルを見極めなければ」
「パソコンはいつまで、パーソナルで居られるのだろう」
「パソコンの価値は上がるのか、下がるのか」
といった反応がありました。パーソナルコンピューティングの定義は変化するでしょうが、それに合わせて従来のパソコンも変化するでしょう。Winodws 8はサービス指向のOSになりそうですし、それはMacOS Xも同じですよね。よりサービスとの融合がタイトになるでしょう。
特にマイクロソフトにとっては、サービス(そのものとインフラの両方、コンシューマと点タープライズの両方)とソフトウェアの融合をどう見極めて実現していくのか、グーグル二はない価値を提供してくれるのではないかと期待しています。
●カメラ業界
「携帯電話時代とは異なり、スマートフォンの時代、カメラと無関係とはもう言えない」
「プリンティング含め、写真というものの撮影され方、活用され方を見極め直さなければ」
などの意見を頂きました。全くその通りで、スマートフォンによって、SNSと実生活が一体化使用としている中、スマートフォンの方が写真を撮影して楽しい、あるいは便利という事が、すでに起こり始めています。EyeFi使えば便利だよね〜、なんて言ってはいられません。意外にカメラ業界の方々は、SNSから遠い所にいらっしゃるのですが、スマートフォンがカメラ業界にとっても黒船であることを、真剣に捉えられているかが、近い将来の業績を決めそうな気がします。
●デジタルコンテンツ
「スマートフォンの登場は、映画の流通に大きな影響を与えるような気がしています」
他にも多数意見をいただきましたが、映画会社や音楽会社の方々も、スマートフォンとの向き合い方を考え直しているところのようです。
一番影響を受けるのがデジタルコンテンツの流通でしょう。音楽はすでにクラウドになりつつあります。早晩、ポピュラー系の楽曲データベースはクラウドの中に入ってしまいます。ダウンロードしたりリッピングしたりで、手元にライブラリを構築する手法は古くなります。では映像はどうでしょうか?
スマートフォン、スマートタブレットなどが登場した後の、デジタルコンテンツの流通はどうなるのでしょうか?
●インターネット検索
これは僕自身が感じていることですが、インターネットを支配してきた検索屋は、スマートフォンを起点にSNSへとライフログが記録されていく中で、その力を保ち続ける事はできるんでしょうか。区画整備されたFacebookの世界は、フリーハンドのインターネットよりもダイナミズムには欠けるかもしれませんが、過ごしやすい面もあります。
また偶然の出会いよりも、必然の出会いが多いという印象もあります。
インターネットを検索するよりも、SNSを検索する方が将来は重要になるんじゃないかしら。と思ったりして。
もちろん、オーディオ&ビジュアル、携帯電話の業界も大きな影響はありますよね。携帯電話網の将来は、スマートフォンの普及が決定的になった事で、どうなるのかインフラ事業者でさえ計画や予測がし辛いというのが現状でしょう。LTEに移行しても、すぐに混雑が激しくなり、レスポンスは速いものの、絶対的な速さはあまり実感できないかもしれません。その分、街中でのWiFiの応用は進むでしょうし、WiMAXの可能性も以前より広がってきていると思います。
いったい、スマートフォンはどこまで大きな影響を、デジタルワールドの中に起こしておくのでしょうか。日に日に、その可能性、影響の範囲は大きくなり続けています。