ビジネスで先手を打つために必要な3つのこと
スピード重視の時代です。とにかくみんな急いでいます。
「はやいことは良いことだ」
そういう風潮があります。そりゃそうですよね。
昔は東京ー新大阪間だって、20年ぐらい前までは3時間以上かかってました。でも、今は2時間半を切ってます。誰だって、遅いよりはやいほうがいい。
だから会社も上司も「はやくしろ、はやくしろ」といいます。でも、ここで大切なことは「はやさ」には2種類あるってことなんです。それは、
「速さ」と「早さ」
です。
速さってのは動きそのものの速度ですね。スピードです。クルマのスピードとか、人が走るスピードですね。もう一つの「早さ」はタイミングです。つまり「後か、先か」ってことです。
ここで考えなければならないのが「速さと早さ、どっちが大切か」ってことです。
もちろん、どちらも大切なことですが、ここで気をつけないといけないのは「速いからといって、必ずしも早いとは限らない」んですね。
武道の世界では、「速さ」より「早さ」を大切にします。なぜかというと、いくら速かったとしても、相手に「先」をとられてしまったら、まったく意味がないからです。いくら「速く」打ったとしても、相手がそこにいなければ当たらないわけです。
つまり、大切なことは「先を取る」ってことなんですね。相手より先にそこにいるということです。これはスピードとはちがいます。要するに、相手が打ってきてもそこにいなければよいし、相手が速く動いたとしても、動く先に打ち込めばよいってことなんです。
そのために必要なことは、「相手の動きを読む」ということ。これは「予想」とか「勘」ということではなく、明確に「識る(しる)」ということです。いいかえれば、相手の行動論理を読み取るということですね。
もう一つ大切なことは、「正確に、確実に動く」ということです。いくら相手の動きが読めても、自分が意図した通りに動くことができなければ、相手に当てることはできません。それどころか、相手に当てられてしまうわけです。だから、確実に相手に当てる正確さが必要なわけです。
これは、仕事でも同じです。
クライアントや上司から頼まれた仕事を、いくら「速く」やったことしても、相手が求めていることを実現できるとは限りません。それよりも相手の要求を結果として「早く」、そして確実に実現することが求められるわけです。
そのためには、ふだんから心がけたいことが3つあります。
- ゆっくりやる 武道の型を練習するとき、はじめはびっくりするほどゆっくり動きます。腕を伸ばすだけで1分、2分かけることもあります。それぐらいゆっくりやってはじめて正確な動きが身につくんですね。私たちは日々の仕事に追われるあまり、「正確に、確実に」することを忘れがちです。一つミスがあれば、そのリカバリのために、急いで節約した以上の時間がかかってしまいます。だったら、はじめから「ゆっくりと、正確に、確実に」やったほうがいいのです。そのほうが結果として「早い」のです。
- 目的を確認する いくら「速く」移動したとしても、東京から大阪に行くつもりが、仙台に着いていたというのでは「早く」はありません。大切なことは「速く」行くことよりも、「早く」目的地に着くことです。仕事を始めるまえに、とにかく手をつけるのではなく、「これは何のために」するのか、目的地を確認してからでも遅くはありません。
- 相手の動きを読む ゆっくり、確実に動くこと、そして目的を確認することを心がけていると、「相手の動きを読む」ことができるようになります。ゆっくり、確実にすることで、余裕が生まれ、目的を確認することで「相手が何を求めているのか」「これから何が起こるのか」がわかるようになるからです。すると「こんなことを頼まれるだろうな」「先にこの手を打っておこう」と、先を取ることができるようになります。
体力やスピードは、年齢とともに衰えます。しかし、幸いなことに、相手の動きを読んで「先を取る」ことは、経験を重ねれば重ねるほどうまくなっていくのです。その先に「達人」といわれる境地があるのだと思います。
35歳を超えたら、強い選手を目指すのは無理があります。それよりも「達人」をめざそうではありませんか。
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