なぜ、クライアントはいつも遅れるのか?
プロセスデザインエージェントの芝本秀徳です。
きょうは「なぜ、いつもクライアントは期日に情報を出してくれないんだろう」という、誰しもが思っていることについての謎を解いてみようと思います。
■いつも遅れるクライアントからの納付物
システム開発、WEBサイトの構築、デザインなど、クライアントからの要求にしたがって、それをカタチにしていく仕事をする人たちが持つ、もっとも切実な悩みは、
クライアントから予定通りにモノが出てこない
ということだ。
モノとは、要求文書のこともあるし、質問への回答かも知れない。クライアントからの情報をもとにプロジェクトは進むのだから、それがないことには始まらない。それを請け負う側、受注する立場の人間から見れば、それはそのままプロジェクトの遅れにつながることはわかっている。だからこそ、
なんで、クライアントは遅れるんでしょうかね?
という嘆きにつながるのだ。
■問題はむしろ受注側にある
しかし、この問題はクライアントにあるのではなく、むしろ、受注側が呼び込んでいることが多い。それは受注側が「なぜ、期日までに情報を出してもらわないとこまるのか」を説明できていないからだ。
多くの場合、クライアントは、目の前の期日にしか見えていない。さらに1日の重みというものも知らない。
受注側は”感覚として”、遅れは拡大することを知っている。しかし、それがどのような仕組みで拡大するのかを説明する言葉を持っていない。なぜなら、プロセス全体を顧客に示すことができないからだ。
■どのように遅れは拡大していくのか
プロセスはインプットとアウトプットでつながっている。そのつながりはリニアなものではなく、枝分かれしていく。顧客の要求は、工程(スケジュール)、工数の見積もり、要件定義、設計、評価など、あらゆるプロセスのインプットとなる。つまり、要求の遅れは、それをインプットとして使うプロセスの数だけ増幅することになるのだ。
しかし、顧客からしてみれば、3日遅れは3日遅れでしかない。3日程度であればなんとかしてよ、というのが本音なのだ。
■まずはプロセスを「見える化」せよ
プロセス全体が、インプットとアウトプットでつながっていることを「見える化」しなければ、この問題は解決されない。そもそも遅れが増幅していく仕組みは「見える化」しなければわからない。受注側も明確に理解していないのだ。
まずはプロセスを「見える化」する。カタチにしなければ、改善はできないのだ。
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