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プロセス、戦略、人間学の視点からプロジェクトを眺めます。

部下が「なんでこんなことしないといけないんですか?」というのはなぜか?

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こんにちは。
プロセスデザインエージェントの芝本秀徳です。

公式ブログにも書きましたが、先日、友人に呼ばれて、あるイベント開催プロジェクトのプロセスの振り返りと、次回のイベントに向けてのプロセスデザインのファシリテーターを務めてきました。

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今回のプロジェクトは、私がファンクショナルアプローチ(Value Engineering)を学んだファンクショナルアプローチアカデミーの「文化祭プロジェクト」です。1年に1回、アカデミー生が研究成果を持ち寄って発表する場があるのです。

今回はその文化祭の「振り返り」と実行委員の引き継ぎに際して、私はOBとして「振り返り」のファシリテータを任命されたのでした。

■ プロセスデザインのファシリテーションはたのしい

プロセスデザインは、このファシリテーションの質がデザインの品質を大きく左右するので、緊張感がありますが、私の大好きな仕事の一つです。

私はクライアント先でコンサルティングを行う際も、一方通行で答えを提示したり、ノウハウを提供するのではなく、問いかけと対話を通じて、学びを最大化させるファシリテーションを大切にしています。メンバーが互いに刺激し合って、創発が起こる瞬間の快感はなんとも言えないものがあります。

今回のファシリテーションは、

・現行のプロセスの「見える化」
・クリティカルなプロセスの特定
・課題をクリアしたプロセスの設計

といった流れで進めました。

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■ 何はともあれ、現行プロセスの「見える化」

プロセスをデザインしたり、改善しようとするときは、何をおいても、まずは「いまどうなっているか」、つまり現行プロセスを見えるカタチに表現する必要があります。

やってしまいがちなのが、「あれが問題」「これが問題」と、問題が出てくるのはいいのですが、問題がどのような構造で発生しているのかがわからないまま、「空中戦」で議論することです。空中戦で議論してしまうと、場当たり的な対策、短絡的な原因分析になってしまいがちです。

また、いきなり「あるべき姿」のプロセスを設計しようとするのもタブーです。なぜなら、プロセス同士がどのように影響し合っているのかを理解しないまま、プロセスをデザインしても、けっきょくは実行不可能な、絵に描いた餅になってしまうからです。

そのため、今回の振り返りでも、まずは「現行プロセス」の把握から始めたのでした。

■ 見えていないだけで、プロセスは実は多い

現行プロセスを表現すると、まず驚かれるのは、

 こんなにもプロセスがあるのか?!

ということです。
少しのことを達成するだけでも、見えていないだけで、びっくりするくらいのプロセスを経る必要があります。これが実感としてわかっただけでも、プロジェクトの成功率は大きく改善します。プロジェクトが失敗するもっとも大きな原因は「見えていない」ことにあるからです。

■ 意外なプロセスが全体に影響を与えている

さらに、現行プロセスの分析を進めると、プロセス同士がどのような構造になっているのかが見えてきます。多くの場合、

 え! このプロセスがこんなに影響しているの?!

ということになります。

目立たない、そんなに大事だという認識のなかったプロセスが、じっさいには多くのプロセスに影響を与えていることが多いのです。このクリティカルなプロセスが特定できれば、プロセスを設計する際に、課題をクリアするように設計すればいいのです。

■ プロセスを最初に設計すれば、全員が当事者になる

プロジェクトを始めたり、今回のようなイベントを企画するときなど、プロジェクトを始める最初の段階で、プロセスを設計しておくと、

・人に協力をお願いできる
・全員に当事者意識が生まれる
・「なんのため」にやっているのかがわかる

など、スケジュールや段取り以外にもさまざまなメリットがあります。

小さなプロジェクトであっても、実際には多くのプロセスが必要です。それが「見える化」されていなければ、スケジュールがぎりぎりになってからバタバタしてしまいます。しかし、最初に「見える化」されていれば、最初の段階で人に協力を求めることができます。

お願いされる方も、時間ぎりぎりになってから頼まれることもなくなります。また、プロセスが表現され、シェアされていれば、「なぜ、それが必要なのか」が理解でき、自分の役割を果たそうという気も起るのです。

プロセスが表現されていなければ、どこか自分の知らないところから、ぽーんと指示が飛んでくる、という「やらされ感」が伴ってしまいます。よく、部下が「なんでこんなことしないといけないんですか?」といったりするのは、プロセスを説明できていないからなのです。

■ ”プロセスデザインの力”おそるべし

今回のプロセスデザインに参加された方にうれしい感想を一部、ご紹介します。

今日はありがとうございました。
プロセスをデザインしたことで、その場限りではなく、携わる人が変わっても、再現性があるイベントになりそうです。
最終アウトプットから逆算するので、漏れもなく、シッカリ全体像も見えてくるので、行っていくうちに脳の整理もされていきました。
最初のイベントの時に、知っていたら苦労しなかったのに・・・と、今さらながら思いました!!!

今日は、アカデミーメンバーによる第2回文化祭のキックオフMTGに次期幹事として参加しました。第1回の振り返りをして前幹事からバトンタッチと思いきや、芝本さんが、プロジェクトマネジメントの観点から重要な9つのプロセスの説明があり、始まりました。特に優先する3つのプロセスについて、芝本さんからの質問を通じ、最終成果物からプロセスを遡りながら、アクション、時間、相互関係が、白板の上に描き出されていきました。ほんの1時間半で全体像がみえました。”プロセスの力”おそるべし。

今回の話の中で特に記憶に残ったのは、プロセスをデザインしたらそれをアカデミーの中で共有して欲しいというところです。
たしかに、前回の文化祭ではどちらかというとお客さん的な参加の仕方になっていましたし、実行委員がそんなに大変だとは全く思っていませんでした。
アカデミーみんなで作り上げる文化祭にできたらいいなと思います。

プロセスデザインは、メンバーと全体像をシェアし、当事者意識を高めてくれます。プロセスデザインの「威力」を実感していただけたようで、うれしい感想ばかりです。

このプロセスデザインの考え方を少しでも多くの人に伝えていきたいと思っています。

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