第二回 ケンブリッジが目指す姿~10年後目標と戦略~
第二回 ケンブリッジは「変革共創型×変わる力を引き出す」で価値を提供する
前回の記事では、ケンブリッジの原点について書きました。
タスクではなく、変革を担う。
先生として答えを渡すのではなく、顧客と一緒につくる。
自社の売上より、顧客の成功を優先する。
この在り方は、これからも変わりません。
では、その在り方を使って、これから何を実現するのか。
10年後のケンブリッジが目指すのは、変革共創型の領域で圧倒的な存在感を持ち、顧客自身の「変わる力」を引き出す会社になることです。
30年間、変革共創型の仕事をしてきた
ケンブリッジのコンサルティングを、私たちは「変革共創型」と表現しています。
顧客とともに課題やゴールを定め、関係者を巻き込みながら、実行と定着まで一体となって進めるスタイルです。
人の意見を引き出す。
組織の壁を越えて合意をつくる。
正解のない状況で、進むべき道を見つける。
関係者が「自分たちで変える」と思える状態をつくる。
ケンブリッジは、この領域で約30年間、技術と経験を積み重ねてきました。
ただ、これまでは、その価値が少し伝わりにくいところもありました。
コンサルティングの価値として分かりやすかったのは、先生型、SIer型、そして労働力型です。
顧客が知らないことを知っている。
顧客がつくれないシステムをつくる。
足りない手数を補う。
いずれも必要性を説明しやすく、成果も見えやすい。一方で、変革共創型の価値は、成果物だけでは説明しにくいものでした。
しかし、AIの登場によって、この関係が大きく変わろうとしています。

AIによって、コンサルティングの主戦場が変わる
AIは、調査、分析、アイデア出し、資料作成など、コンサルタントが担ってきた知的作業を急速に変えています。
専門知識を集め、大量の情報を整理し、仮説や選択肢を出す。こうした仕事の相当部分を、AIが担うようになるでしょう。
コンサルティング会社が提供してきた「専門知識」「労働力」「システム開発力」という領域は、なくなりはしません。
しかし、相対的には小さくなっていくと見ています。
では、AIが優れた答えを出せば、企業は自然に変われるのでしょうか。
私は、そうは思いません。
AIが正しい答えを出しても、人が納得するとは限らない。
部門ごとに利害が異なれば、合理的な選択肢を示すだけでは合意できない。
正解が分からない中で、責任を引き受け、最初の一歩を踏み出さなければならない場面もあります。
AIが知識や作業を担うほど、コンサルタントに残るのは、人と組織の変化に向き合う仕事です。
つまり、ケンブリッジが取り組んできた変革共創型の領域が、これからのコンサルティングの主戦場になる。
私たちは、そう考えています。
その中でも、「変わる力」にこだわる
変革共創型のコンサルティング会社として、圧倒的な存在感を持つ。
それだけでも、一つの目標になります。
しかし私たちは、その中でも、顧客自身の「変わる力」を引き出すことにこだわります。
日本企業では、変革の難易度が高まる一方、それをリードできる人材が不足しています。
その結果、難しい変革に取り組むたびに、大勢のコンサルタントを呼ぶ。
プロジェクトが終わると、ノウハウも一緒に出ていく。
そして次の変革でも、再び外部のコンサルタントを呼ぶ。
少し強い言い方をすれば、日本企業はコンサルティング会社の都合によって、食い物にされかねない状態にあると感じています。
もちろん、外部のコンサルタントを使うことが悪いわけではありません。
問題は、顧客の中に力が残らないことです。
やがて、外部の支援なしでは、自社を変えられない会社になってしまう。
それで本当によいのでしょうか。
日本企業は今こそ、自ら変わる力を取り戻すべきです。
コンサルティング会社には、顧客を依存させるのではなく、顧客が自分たちで変革できるようにする役割が求められています。
それが、ケンブリッジの掲げる「顧客の変わる力を引き出す」というコンセプトです。
今を「成功」に、次回を「自走」に、未来を「共創」に
顧客の「変わる力を引き出す」ことには、三つの段階があります。
一つ目は、今回の変革を成功させること。
顧客と一緒に目的やゴールを考え、関係者を巻き込み、合意をつくる。顧客自身が考え、判断し、動くことで、プロジェクトの成果を高めます。
二つ目は、次回の変革を自分たちで進められるようにすること。
ファシリテーションや課題解決、プロジェクト運営の方法を共有し、顧客の中に変革をリードできる人材を育てます。
三つ目は、未来の変革を一緒に生み出すこと。
比較的取り組みやすいテーマは、顧客自身で進める。そのうえで、これまで以上に難しく、社会的な意義も大きい変革へ一緒に挑戦します。
今を「成功」にする。
次回を「自走」にする。
未来を「共創」にする。
これが、私たちの目指す関係です。
不合理だからこそ、戦略になる
顧客にノウハウを提供し、自走できる状態をつくれば、ケンブリッジは不要になるのではないか。
当然、そう思う人もいるでしょう。
短期的な合理性だけを考えれば、顧客をコンサルタントに依存させたほうが、契約は続き、売上も安定します。
それでも、ケンブリッジは顧客の自走を促します。
一見すると不合理です。しかし、この不合理さこそが戦略になると考えています。
ケンブリッジと仕事をしたことで、自分たちだけでも変革できるようになった。自分たちの会社にも、これほどの力があったのだと実感できた。
そう思ってもらえれば、次はさらに難しいテーマへ一緒に挑戦できます。
顧客の能力が高まれば、ケンブリッジも、より高度な変革をリードできるよう成長し続けなければなりません。
顧客の力を高めることが、ケンブリッジの仕事を奪うのではありません。
顧客とケンブリッジが互いにレベルアップし、より難しく、意義のある変革へ進めるようになる。
それが、私たちの描く成長です。
変革共創型を、新しい常識にする
ケンブリッジが実現したいのは、自分たちだけが変革をうまく進められる世界ではありません。
方法論やノウハウをオープンにし、多くの企業やプロジェクトで使ってもらう。ケンブリッジがいなくても、変革を成功させられる人や組織を増やす。
そして、顧客と一緒に考え、合意をつくり、実行まで進める「変革共創型」のスタイルを、コンサルティング業界の新しい常識にしたい。
誰でもケンブリッジの方法論を学べる。しかし、それを誰よりもうまく使いこなし、最も難しい変革を成功へ導くのもケンブリッジである。
そんな会社を目指します。
日本一の変革人材輩出企業へ
変革共創型を新しい常識にするためには、ケンブリッジだけが成長しても足りません。
変革をリードできる人を、社内外に増やす必要があります。
ケンブリッジのコンサルタントを育てる。
顧客企業にも、変革をリードできる人を育てる。
養成学校を通じて、さらに多くの人へ方法論と技術を伝える。
そして、ケンブリッジで育った人が、さまざまな組織で変革を起こしていく。
10年後、ケンブリッジは「日本一の変革人材輩出企業」と呼ばれる存在になりたい。
プロジェクトを成功させる会社であると同時に、変革を成功させられる人を育てる会社になる。
それが、「顧客の変わる力を引き出す」という目標の先にある未来です。
10年後に向けて、足りないもの
約30年間の積み重ねによって、ケンブリッジには多くのものがそろってきました。
・プロジェクトを進める方法論
・ファシリテーションや課題解決の技術
・コンサルタントを育てるトレーニング
・顧客企業の変革人材を育てる養成学校
すべてが完成しているわけではありませんが、それでも、何を提供し、どう人を育てるのかについては、相当な蓄積があります。
基盤が整ってきているのです。
では、10年後の目標に向かうために、今のケンブリッジに足りないものは何か。
それは、人であり、一定の規模です。
顧客の変革をリードできる人。
異なる意見を持つ人たちを巻き込み、合意をつくれる人。
業務とITを理解し、構想だけでなく実行まで進められる人。
顧客にとって正しいことを考え、率直に意見を言える人。
こうした人が増えなければ、社会へ届けられる価値には限界があります。
そして今、少数精鋭にとどまらず、一定の規模を持つべき局面に来ています。
よくある拡大戦略ではないか。
結局は売上至上主義ではないか。
そう思われるかもしれません。
次回は、私たちがなぜ今、採用と規模拡大に踏み切るのか。
ケンブリッジが考える「人」と「規模」の戦略について書きたいと思います。
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次回の記事は「第三回 ケンブリッジが目指す姿~採用と規模拡大~」です。