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無意識になっている重要な問題に気づくには?

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前回の記事「自分の場合」で考えるでは、「7つの習慣」の「時間管理のマトリックス」を活用し、ご自身の仕事や生活における課題整理の視点と、そのことに意識を向けて「考え続けること」に取り組んでみました。今回は、そのマトリックスをもう1歩踏み込んで活用してみます。

「7つの習慣」では、「時間管理のマトリックス」において最も優先的に取り組むべきことは「第二領域:重要だが緊急でない」ことへ意識を向けることだと伝えています。そのことを、同書では次のように紹介しています。

第二領域に集中することは、効果的な自己管理の目的である。第二領域は緊急ではないが、重要な事柄を取り上げているからである。人間関係づくり、ミッション・ステートメントを書くこと、長期的な計画、運動、予防保全、準備などは全てこの領域に入っている。誰もがこうした活動の大切さを理解しているはずである。しかし、それらは緊急ではないから、いつまで経ってもなかなか手がつけられないのである。
 ピーター・ドラッカーの言葉でまとめれば、「大きな成果を出す人は、問題に集中しているのではなく、機会に集中している」ということである。彼らは機会に時間という餌を与え、問題を餓死させようとするのだ。つまり、彼らは予防的に物事を考えるのである。この人たちの生活にも、第一領域の問題が発生することがある。しかし、その数は非常に少ない。なぜなら、彼らは波及効果の大きい、自分の能力を向上させる第二領域の活動に集中することで、生活のP/PCバランスを維持するようにしているからだ。

言われてみれば「当たり前」のことですが、その「当たり前」に意識を向けている人は、そう多くはありません。

例えば、2012年末に笹子トンネルの天井板が崩落し、被害者が出るという痛ましい事故が起きました。事故が起きたことにより私たちは、日本の道路の多くが老朽化しており、そのメンテナンスが急務であることを知ります。そして、メンテナンスを担当する管轄組織では、事故直後からトンネルの点検や老朽化して危険性が高まっている道路や橋梁などの緊急工事に取り組んでいます。

こうした対応は、言うまでもなく第一領域(重要かつ緊急)への対応です。しかし、発想を変え、例えば「身の回りに、ある一定期間を過ぎ、老朽化している構造物やシステム、サービスはないか」、「そうした構造物やシステム、サービスの点検方法で見直すべき点はないか」と考えてみているか、と問われると、意外と自分や自分の身近な問題を捉えていることは少ないのではないでしょうか?

というのも、私たちは、人の仕事については問題を見つけやすいものですが、ことが自分や自分の身の回りになると、思考は分断され、意識が向かなくなりやすいようです。そのため、「第二領域」に意識的に目を向けることが必要なのです。

そこで今回は、身近な人やことの「第二領域」に意識を向けるためのフレームをつくってみました。本来であれば、このブログの3月までのテーマは非営業職が「営業をしろ」と突然言われ、お客様への訪問をするためにはなので、お客様で考える方が自然だと感じるかもしれません。しかし、ここでは意図的に「上司」、「自分」、「部下(後輩)」にしています。各人の「第二領域」にあたりそうなテーマが何であるか、考えてみてください。

 

誠ブログ用 時間管理のマトリックス(上司、本人、部下).GIFのサムネール画像それでは、この続きは次回に。

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