ネットラジオが今熱い - Radikoの逆襲
これまで、多くのベンチャー企業を見てきましたが、IT関連ベンチャーのエンジニアのカルチャーとして、仕事をしながらiPodやiTunesをイヤホーンで聴いている人も多いのではないでしょうか
僕は10数年前になりますが、シリコンバレーベンチャーでFMの電波にコンテンツを乗せて配信する、海外版の「見えるラジオ」のコンテンツ配信システム開発に携わっていたことから、FM受信機のカードをPCのPCMCIAスロットに差し込みPCでラジオを聴きながらエンジニアリングをしていました。東京ではFMラジオはローカルステーションを含めてもチューンできるのはせいぜい5局くらいですが、アメリカではジャンル毎にFMラジオ局があり、かなりのFMラジオ局がチューンできます。
エンジニアの仕事は集中型の仕事であり、FMラジオを聴きながら仕事をしていると、軽快なナビゲーター(昔で云うところのディスクジョッキー)のトークと共に最新のヒットナンバーが聴けるので、そのリズム感でプログラミングなどの仕事がはかどります。(お気に入りはJ-Waveで、開局から聴いています)
さて、既にご存知の方も多いと思いますが、3月15日から、関東・関西地区のAM/FM/短波ラジオ放送を、インターネットでサイマル配信する「IPサイマルラジオ Radiko」の実用化試験が開始されました。関東地区ではTBSラジオ、文化放送、ニッポン放送、TOKYO FM、J-Waveなどのラジオ番組が「radiko.jp」にアクセスすれば、無料で聴取できます。もちろん僕も「Radiko」を聴いています。(ということで、このエントリーも「Radiko」のJ-Waveを聴きながら書いています)
さて、なぜここにきてネットラジオなのか? 電通が2月22日に発表した2009年の広告費に関する調査によれば、ネット広告が前年比1.2%増の7069億円となり、ネット広告が初めて新聞広告を上回りました。一方でラジオ広告は11.6%減の1370億円となっています。このような状況の中インターネットラジオ「Radiko」はラジオ局にとっては起死回生の復活策となりそうです。
運営母体であるIPサイマルラジオ協議会の発表によると、「Radiko」は公開日からの1週間で523万ストリーム配信が行われたと発表しており、予想を上回る好調な滑り出しを切ったようです。
その後、驚くべきことがおこりました。当初はWebブラウザ上でしか「Radiko」を聴けなかったので、iPhoneアプリとMacのウィジェットの公開を望んでいました。まぁ半年以内には公開されるだろうと踏んでいたのですが、なんと「Radiko」の公開後1ヶ月も経過しない4月6日にiPhoneアプリ「iRadiko」と「iラジ朗」が同時公開され、さらに4月12日にはPC/Macで利用できるガジェットも公開されました。(スクリーンショットはRadikoのガジェット)
このようなトレンドを捉えたタイムリーなiPhoneアプリやガジェットの公開は僕にとっては少々予想外でした。IPサイマルラジオ協議会というネーミングに堅そうなイメージを持っていましたが、ネット業界に精通したプロダクトマネージャーがいるのでしょう。スバラシイ。
さぁ、ラジオを聴きましょう。
ナマステ!
Posted by フィードパス 後藤 康成 (Yasunari Goto)