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原産地効果の新しい形 〜Designed by Apple in California〜

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 ブランドの購入にあたり、消費者は各々がイメージしているちょっとした規則を持っている。「○○なら、○○でしょ!」。購買意思決定のちょっとした規則のことを、堅い表現で「ヒューリスティック」という。
 人は、商品を判断する際に、その品質などの属性を全て理解しているわけではない。むしろ、ほんど分からないまま購入しているのが実態である。(消費者は、スーパーマーケットで商品を購入する際、その大多数の商品は非計画購買であることは良く知られている。)
 表に出てこない属性を判断材料にすべく「シグナル」が存在する。(たとえば、就職/転職の際の資格などは、ある意味で人事担当者からみると、シグナルと言える。採用責任者は、そんなことは気にしないことも往々にしてあるが・・・)

 前日のブログの続きになるが、原産地効果もこのシグナルの一つである。前述の、「○○なら、○○でしょ!」と、二つの事象を繋げてしまうシグナルには、「共変性」が見られる。

”ほんとは、関係ありそうだかなさそうだかよくわかんないけど、関連してそうだ”

と、近くさせてしまうのである。

 もはや、デジタル家電は、「大体、アジアでしょ」とは言うものの、どの国で製造されているか分からない。(アジアも広いですから・・・)また、商品知識が高い人は、相対的に組立国を重要視しない傾向もしめされている。

 アップル社製品の全てではないが、一部の製品には、堅いマーケティング面で見てみると、あたらなシグナルが込められている。多くの方は、もはや当然のごとく知っていることではあるが、「Designed by Apple in California」がそれにあたると考える。
 どの国で製造(組立)されたのかは、シグナルとして意味を持たないのである。デザイン(設計)された場所が、「California」なのであるというメッセージだ。わざわざ、「California」と示す点こそ、まさに、原産地効果「Country of Origin」と言えるだろう。この傾向は、ファッションやインテリアにも多くしてみられる。北欧の家具とされるが、必ずしも北欧で製造されているとは限らない場合もあろう。
 アップル社の製品は、マーケティングの面からもデジタル家電に留まらず、クロスオーバーしていると言えるかもしれない。

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