【書評】女帝 小池百合子-昭和平成の時代に女性が成り上がるメソッドが詰まっている。
2020年の小池百合子本。超絶面白すぎる本。面白すぎて440ページを一日で読んだ。最初の3章くらいが超絶面白すぎる。お父さんの小池勇次郎が範馬勇次郎ぐらい豪快ですごい。昭和平成の時代に女性が成り上がるメソッドが詰まっている。
(1)1952年、謎の芦屋の貿易商、ホラ吹き小池勇次郎の娘として生まれる。芦屋だがお金持ちではなかったようだ。貿易商といってもほぼ社員は家族だけ。ペニシリンやら台湾小物やら石油転売までする謎の会社。世間では石油貿易会社と称していたが実際は投資詐欺から小物販売までやっていたようだ。
(2)小池百合子は、お金ないけど、見栄っ張りなのでバイトしながらお嬢様学校、甲南女子高校に通う。
(3)1969年、小池百合子が高校2年の時、父のビジネスが詰まって、石原慎太郎に献金して、父が衆議院選に立候補。高校生の小池百合子も選挙を手伝う。土井たか子などに破れ、落選。落選のため、借金まみれで家庭が傾く。借金取りが家に来るようになる。だから石原慎太郎と土井たか子が嫌いらしい。
(4)1971年、小池百合子が関西学院大学に入学するがすぐ退学、エジプトに渡る。関西学院大学の学費が高いのと、父親の仕事の関係と、物価が安いのが理由。カイロ・アメリカン大学に語学留学。その後、芦屋の自宅も売却。
(5)早川(仮名)という女性とカイロで同居。早川さんいわく、小池百合子は日本人男性ばかりと遊んでいたようだ。
(6)なぜかアラビア語の上手い日本人、山本氏(仮名)と結婚。
(7)1972年、なぜかアラビア語がわからないのにカイロ大学2年に編入が決定する(父親が手を回した?)
(8)なぜか前述の山本氏と離婚。早川氏曰く、もう用済みだから離婚したらしい。
(9)父親が破産。他の家族もカイロに移住して日本食レストランを開く。(たぶん、海外逃亡)
(10)1976年、来日するエジプトのサダト大統領夫人のジハン・サダトをエスコートするために、同年10月11日、一時帰国。カイロ大学卒のアラビア語ペラペラ才女として小池百合子がメディアに持ち上げられる。メディアとのつながりができる。早川曰く、時期的にカイロ大は卒業してないという。一方、カイロ大は公式に小池百合子は中ランクの成績で卒業をしたとアナウンス出している。真相は謎。
(11)ニュースキャスターになって、竹村健一のアシスタントやって、一時期、舛添要一と付き合って、振られて、国会議員になって、政党を色々変わって、環境大臣と防衛大臣をやって、いろいろ問題を起こして、ハブられて、なんやかんやあって、都知事になる。
すごい人生過ぎて、批判本なのにすごい小池勇二郎のファンになりそうだ。個人的な人生のターニングポイントに都知事経験者が二人いるのがすごい。
学んだこと
(1)見た目大事、見せ方大事。話の中身より、髪型と服装。
(2)風を見て、権力にシッポをふろう。
(3)キーマンに近づいて、支援してもらおう。人脈大事。
(4)上に上がったら、今まで支援した人を捨てて、次の権力者にシッポをふろう。
(5)潮時が来たら、いざぎよく、捨てる。キャスターも、国会議員も、小沢一郎も、安倍晋三も、捨てる。
(6)見せ方大事。物語をつくる!
(7)アラビア語とかレアなスキル大事。
(8)「オッサンをダメだ、これからは女性だ!」というパフォーマンスは非常に大事だが、自分が雇うスタッフは男性のほうがよい。
(9)若いときは、オッサンに支援してもらう。年を取って、金と権力を手に入れたら、オッサンは敵だ!とパフォーマンスすると女性の支持が集まる。
ただ、書き方がちょっと偏っているので、全部信用するのはよくない本かもしれない。著者の感情的な部分をすっとばして、事実関係だけ脳内で再構築したほうがいいと思う。