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エリック松永のJAZZ道場(新譜紹介#3 さらに番外編) -純潔な女の子ricolaに僕は恋に落ちた、、、-

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What’s up, man???

今日、紹介するアーティストは、Berkleeの後輩”ricola”さん。今回、個性溢れるアルバム”A night of my tango”をリリースしました。

シャンソンというジャンル付けがされていますが、エディット・ピアフのような壮絶な人生と究極の傷心バラードのようなシャンソンとは全く違います。銀座『銀巴里』で三輪明宏さんが、「ricolaちゃん、今日は喉から血が出るくらい歌いなさい、恨みなさい」なんてシチュエーションは全く想像できません。どちらかと言えば、下北沢の劇団員が集まるような薄暗いバーで演奏しているようなイメージ。お店のママが真矢みきさんみたいな(笑)。シャンソンという枠でくくるには、もったいない世界がアルバムには広がっています。

彼女の凄さは、米国での影響が全く見えない所です。それほど強いオリジナリティーを持っているこという事でしょう。同じ学校で学んだからこそ分かるのですが、あの刺激に満ち溢れた世界で自分の世界を育むという彼女の音楽に対する強い思いを感じざるをえません。とにかく日本を強く感じます。理由は分かりません。(僕は全身アメリカになってしまいました、、、、)

ricolaのサウンドを何度も聴いて頭に浮かんだ言葉は、

"Virginity"

ricolaのストーリーを綴った"Amore"で表現される世界は、究極の"Virginity"の世界。これは一般的なシャンソンの感覚とは全く違う感性を感じさせます。何度聴いても、大人のどろどろした世界から離れ、純粋無垢な子供の時代に引き戻されてしまう。オープニングの"A night of my tango"では、独特の後ノリでバンド全体が何か戸惑っているかの錯覚を起こしますが、聴きこんでいくうちに、それは大人の世界に戸惑うricolaが描く独自のタンゴの世界なのかなと思えてきました。変に器用でないところが、ricolaの魅力の一つでもあります。

今回のアルバムの後半"くじら"と"Donnez-moi セレナーデ"は前回のアルバムからのリメイクなのに、アルバムとしての調和を全く崩していません。この2曲はピアノとのデュオなのですが、素晴らくピアノとボーカルが調和した秀作。僕は少しピアニストにヤキモチを焼いてしまったほどです。それで、僕はどうしたかって???ま、独り寂しくミルクでもなめてましたっけ、、、、、、

Peace out,

Eric

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