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エリック松永のJAZZ道場(新譜紹介#1) -ベースの達人が乱交パーティー??-

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JAZZの面白さの一つは、編成に制限が無いことです。オーケストラでもいいし、琴や三味線と組んでもいい、パントマイムでもいい。とにかく自由。今回の新譜では、世界のトップを独走する天才JAZZベーシスト3人のアルバム。ベースが3人ですよ!!気になりませんか????

まずは、男は黙ってMiles Davisの法則にのっとって、
http://blogs.itmedia.co.jp/ericmatsunaga/2008/09/jazz2milesdavis.html
Miles Davisが最も信頼したベーシストと言われているマーカスミラーから。マーカスは、ベーシストとしてだけではなくプロデューサーとしても超一流、ベーシストとしては、とにかくぶっといスラップベース(日本でチョッパーベースと呼ばれる弦をチョップするように弾く奏法)が気持ちいい。スラップベースはラリーグラハムが始めてから今では一般的な奏法になりましたが、マーカスのサウンドだけは、誰が聴いてもマーカスとわかる凄いサウンドを持っています。とにかく、とんでもなくグルーブする気持ちいいベーシストです。ベース好きならマーカスを聴かないのは虎屋の羊羹を食べた事がないくらいもったいない!!

2人目はこのプロジェクトのリーダーであり、ベース業界のリーダーでもあるスタンリークラーク。大御所であり大男であり(とにかくでかい!)ベースをJAZZの主役へ導いた一人。スタンリーは、MilesDavisが過激なエレクトリック音楽に倒錯した時期のキーボードであるチックコリアが結成したバンド出身。ベースで種旋律をバリバリ弾きリードベースというジャンルを築いた功労者です。スタンリーのベースはピッコロベースと言って、音程が一オクターブ高い。でかい手と、パワーでソロやコードをど迫力で弾きまくるサウンドも、スタンリー独自ののも。スタンリーはエレクトリックだけではなく、コントラバスでクラッシックもこなす才人。もちろんオーケストラアレンジも出来るので、映画音楽でもその才能を発揮しています。ロックの好きな人なら、ジェフベックと組んでいたバカテクベーシストというイメージが強いかも。

最後は、ベース一本で世界を渡るさすらいのベーシストであるビクターウーテン。これといった固定のバンドで有名になったのではなく、とにかくベースの腕で有名になった人物。僕が初めてビクターを見たのは、ブルーノート東京でマイクスターンバンドに飛び入り参加した時。その時のバンドのベーシストは、なんと!リチャードボナ!!世界最高峰のベースバトルがハプニングで見ることが出来ました、これには、さすがのマイクスターンも興奮していて"Richard Bona & Victor Wooten is on the same stage!! Same stage"とはしゃいでいたのを思い出します♪(いくつになっても可愛い人だ)

この3人がアルバムを創ったのですよ。気になりますよね!!

実は、この手の企画モノって、がっかりするケースが多いんです。皆、スケジュールがパンパンな売れっ子なので、とりあえずスタジオに集まって、ぱっと創っちゃうみたいな。映画でも、オールスターの映画って面白くないのが多いのと同じ。でも、このアルバムは決してそういうのではないんです。3人の個性がぶつかってアートとして成り立っている。楽曲もそれぞれの持ち味が活かされた素晴らしいものばかり。それもそもはず全員、ソングライターとしても超一流なんです。ちなみに、先月東京JAZZでデビッドサンボーンのライブを観ましたが、ほとんどがマーカスミラーの楽曲でした。

とにかく気持ちいい♪

ベースという楽器は、下半身直撃の楽器です。世界の頂点3人のサウンドを感じて、いきまくってください!!!


*JAZZの編成は自由だという話ですが、面白いところでは、スタンリークラークが映画”コットンクラブ”で有名なタップダンサーのグレゴリーハインズとデュオをしている曲があります。"If this bass could only talk"に収録。これが最高に感動する曲なんです。グレゴリーの軽妙なタップとスタンリーのベールバトルです。機会があれば、こちらも是非!ちなみにこのアルバムではポリスのドラマー、スチュアートコーポランドとも共演、しかもギターはアランホールズワース。ポリスを思わせる素敵な楽曲です♪

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