Social Good な企業とその取り組み #7:H&M
トレンドという名の消費型経済循環を推進する非サステナブルな企業の代名詞の一つであるファッション業界と、サステナビリティは両極に離れた存在です。しかしながら今回取り上げるH&MやユニクロなどはCSV/CSRにも力を入れています。
ファッションをサステイナブルに、サステイナビリティをファッショナブルに。H&Mでは、そんな究極の目標を定めています。
CEO カール・ヨハン・パーション
H&Mは言うまでもなく世界を代表するスウェーデンのSAP企業ですが、彼らは「Concious Actions」と呼ばれる7つのコミットメントを掲げています。下記はH&MのWebサイトからです。
私達にとって、「クオリティ」は指先で感じられる布地を遥かに超えた意味を持っています。それは地球と私達を取り巻く人々のことであり、私達の持つ最良のものを提供することでもあります。ファッションとサステイナビリティは二者択一の存在ではありません。
私達はサプライヤーに高い基準を設定しており、私達の求める要件の遵守状況を定期的に確認しています。しかし、それは一方的な関係では成り立ちません。私達自身がサプライヤーの良きパートナーである必要もあるのです。私達は長期的なパートナーシップを構築し、トレーニングを行い、サステイナビリティ関連の優れた業績には取引条件の向上で報いています。
-Concious Actions 2015-のハイライト
H&Mでは、今年のConscious Exclusive Collectionに、リサイクルデニムを原料としたデニマイトのような、よりサステイナブルな素材を導入するとともに、再生ガラスやライムストーンなどを装飾に採り入れました。
さらに、オーガニックコットン、リサイクルコットン、ベターコットンの使用を増やし、これらの材料はH&Mで使用するコットン全体の31%になりました。H&Mは世界No.1の認証オーガニックコットンユーザーです。
ベターコットンを合わせると、H&Mで使用するよりサステイナブルな素材は、全材料の20%になります。(2014年は14%、2013年は11%)サステイナビリティ認証度の高い製品には、コンシャスなアイテムであることを示すグリーンのタグが付けられています。
H&Mは再生可能エネルギーの使用を大幅に増やし、今では世界全体でH&Mが使用する全電気量の約78%(2014年は27%、2013年は18%)を再生可能エネルギーで賄っています。
また、2014年と比べて、二酸化炭素排出量をさらに56%削減しました。主な要因は再生可能エネルギー使用の増加によるものです。
2016年始めには、H&Mと27の他企業がWWF(世界自然保護基金)と手を組んで、「WWF Climate Saver」プロジェクトを立ち上げ、企業活動を低炭素化するために協働します。
彼らの本気度合いを感じさせるのは、ファンションメーカーの華である新作発表会でもしっかりとサステナブルな企業姿勢とアクションをアピールしていることです。(詳細はfashionsnap.com Insideをお読みください。)
最も消費型企業の一つであるファッション業界では、このようなファッションが「クール」になりつつあります。