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デジタルとアナログの間を行ったり来たり

ハリウッド製日本版シンデレラ

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 しばらく前に映画「SAYURI」を観に行った。映画版「Chicago」の監督だというので、またビジュアル的に面白い作品を創ってくれると期待したから。確かに鮮やかな世界を見せてくれた。

 個人的には芸者らしからぬ歌舞伎っぽい舞台場面がやや気になったが、あれはあれで己の悲運を無言で渾身の力を込めて表現したのだと理解できる。

 しかし後から思い返すとシンデレラと共通するものがいくつかあることに気付いた。

 シンデレラは身寄りがいないらしい。Sayuriも家族から引き離された。

 シンデレラは使用人として働いていた。Sayuriもそれを強いられた。

 シンデレラの姉らは王子をめぐって争う。Sayuriの姉らも売れっ子芸者の地位をめぐり争う。女同士の男性をめぐる利権争いといえば似ている。

 シンデレラは魔女に助けてもらい王子の前に出る。Sayuriも年上の女性から援助と指導をもらいデビューする。

 シンデレラは魔法が解けて王子のことはあきらめていたが、最後は王子とハッピーエンド。Sayuriも戦争や策略に負けて恋はあきらめたが、最後はハッピーエンド。

 こういう物語は女性の視点から語られるので無理もないが、女性はすっかりあきらめたのに、忘れたころに王子役の男性がぬけぬけと「やっぱり君だ」なんて言うのにはどこか釈然としない。っていうか、いままでの苦難は何だったのと(笑)。それはさておき。

 シンデレラはカボチャの馬車に乗った。Sayuriの親友は「おカボ」(カボチャ)。

 苦しい共通点だが、単なる偶然ではないような。そもそも女性の名前に「Pumpkin」なんて欧米圏で使うだろうか。日本では「イネ」はあるが、野菜に由来する女性の名前なんて聞いたことがない。ネギ、ナス、苦しい。イモ、ダイコン?失礼になるかも。

 あと、青だ。ディズニープリンセスでシンデレラといえばアップの髪型と青いドレスが目印だ。Sayuriもアップの髪型で、ドレスではないが青い目をしていた。水のような性格、清らさというのも関係あるだろうが、それだけではないような気がする。

 日本で青い目なんてあり得ない。非現実的なほど鮮やかな青い目に「これはフィクションだよ」というメッセージが込められているような気がした。制作側の文化圏の象徴というか。

 うーん。全くITに関係ない話になってしまった。・・・そういえば。Sayuriの青い目はカラーコンタクトだろうか。それともデジタル編集だろうか。なんて考えて無理に落としてみるテスト。

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