コンピュータのお値段
20年もすればコンピュータの能力も値段も変わるものだなあ、なんてふと思った。ムーアの法則っていうか。
たまたまコンビニで昔々断片的に読んだ「有閑倶楽部」が置いてあった。300円だしちょっと懐かしんで読むにはちょうどいい。それにしても初掲載は1981年だそうだ。今でも楽しめるが、よく見ると80年代を感じるところが散見する。
ある話では主人公グループが誘拐事件に巻き込まれ、なぜか最終的には10億円もの身代金を手にしてしまう。オチで主人公らは派手に使おうとそれぞれ提案する。ちなみに主人公らは高校生という設定になっているが、こんなことを言う。
「やっぱりダイヤよ。金塊でもいいわねえ」
「自家用ジェット買おうぜ。セスナ・サイステーションなら買える」
「どこかの島を買いましょうよ。それで倶楽部の別荘をたてるの」
「世界中から美女を集めてハーレム作ろう」
こうした要望と並んで提案されているのが、これ。
「IBMのコンピュータ買おう!ハル9000もほしい。碁の相手をさせたい」
隔世の感がある。10億円の使い道がIBMのコンピュータとは。ハル9000もマニアな感じだが、目的はメンバーの中で最も高校生に近い発想かも。だがコンピュータと碁で遊ぶなら今は小遣いで買えるゲーム機ですんでしまうような。
そんなことを人に話したら「もう数年もすれば『IBMのコンピュータ』には希少価値が出るかもね」という声も。うーむ。数年前でもバタフライのThinkPadを懐かしんだりしていたが……10億まではかなり時間がかかりそうだ。
ついでに磁力の説明をしている場面では主人公の一人がこう語る。
「新しく開発されたリニア・モーターカーなんて磁力だけでうごくんだからな」
乗ったよ、それ。去年、万博への途中に。20年前はまだ開発中だったかもしれないけど。……なんて、20年前に話しかけてみたくなる。
有閑倶楽部 (1) | |
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